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虚飾★(3/5)

ユニットバスの床には、白い精液が散乱していた。
身体を震わせながら壁にもたれ、項垂れている男を見て、若い男は俺に向かって言った。
「趣味悪いね、あんた」
「そうでも無いさ」
上司の傍に屈み込み、前髪を掴んで顔を上げる。
紅潮した顔と潤んだ目が、彼の身体の状態をあからさまにしていた。
「トコロテンするくらいですから、よっぽど気に入って頂けたんですよね?課長」
玩具のスイッチは最強の状態になっている。
欲求を吹き出したはずのモノは、僅かに勃起を始めているようだった。
「何回、イったんですか?」
「・・・い、っかい」
「じゃ、次は、彼にイかせて貰って下さい」
虚ろな目をユニットバスの外に泳がせた彼は、一瞬、息を飲む。
「わた、る・・・?」
「この人がさ、俺たちがヤってんの、見たいって言うから」
「言いましたよね。私は、隠し事されるのが嫌いだって」
男の体内で蠢いていた物体を抜き取り、床に放る。
「他の男のチンポぶち込まれて、あなたがどんな顔するのか、見てみたいんです」


ベッドに座る若い男、床に跪く上司。
カーゴパンツの前を開け、慣れた手つきで自らのモノを取り出した男は、目の前の顔にそれを突きつける。
背後でその光景を見ている俺に、中年の男は切なげな視線を投げた後、若いモノを口に含んだ。
少し高いトーンの吐息と、苦しげな呻き声がベッドの軋む音と共に響く。
自分も同じことをしているはずなのに、やけにその光景が異様なものに見える。
薄い疎外感を覚えながら眺めていると、若い男と目が合った。
「あんた、も、どう?」

ベッドに上がり、快楽を素直に悦ぶ男の脇に座る。
ここからは、半勃ちのモノに舌を這わせ、しゃぶりつく上司の顔が良く見えた。
仮面を剥がされた中年の男は、色情に溺れた、ただの雄になっていた。
「キス、して」
肩に手をかけられ、意識が若い男に向く。
「言ったじゃん。オレ、あんたの方が、好みだって」
「俺は君に、興味無いけど」
「別に、構わない」
横目に映る男の顔に、ふと、遣り切れなさが映る。
初めて見る、表情だった。

若い男の唇は、齢を重ねたものとは全く違った。
無理矢理奪われたあの時のような嫌悪感が無かったのは、この状況のせいなのか。
目を閉じた彼は、しばらく唇を摺合せた後、舌を伸ばす。
口を半開きにしたままで舌を絡ませ、口端から漏れそうになる唾液を舐め取る。
若干アルコールが混ざる吐息が身体を高揚させる中、男の手が俺の股間に伸びて来た。
「オレ、上手いよ?あの人より、ずっと」
「悪いけど、これは、順番待ちだから」
「・・・んなに、オッサンが、良い訳?」
「別に」
ベッドの下には、いきり立ったモノを咥え、吸いつく男の姿。
「上司に咥えさせんのが、堪んないんだよ」


腰を上げた状態でベッドに伏した上司の後ろに、若い男が膝立ちになる。
壁に寄り掛かり正面から顔を窺う俺と、男は目を合わそうとはしなかった。
自らのモノで男の尻を叩く彼は、腰回りを撫でながら言った。
「ほら、いつもみたく、言って」
目を閉じて躊躇いを見せる上司の顔に、羞恥心が露わになる。
「言わなきゃ、入れてあげないよ?」
「・・・くだ、さい」
「何?聞こえないなぁ」
「おちんちん・・・下さい」
その言葉を聞いた男は、勝ち誇ったような表情をしながらモノを勢いよく突っ込んだ。
「うっ、ぐ」
「あー・・・すっげ締る」
布団を掴む手の力が、その刺激の強さを物語る。
身体のぶつかり合う音は、徐々に激しさを増しながら部屋の中に響いていく。

「はっ、あ・・・あっ」
「いつもより、声、おっきーじゃん」
若い男の一言に、上司の喘ぎが瞬断する。
「部下に、見られて、興奮してんの?」
淫らな声を上げたくないのか、男はベッドに顔を埋めながら、その問いに首を振って答えた。
床に膝をつき、手で彼の顔を引き上げる。
部下の顔を目の当たりにした上司は、今にも崩れ落ちそうな眼をしていた。
「突っ込まれたこと無いなんて、どうして嘘ついたんですか?」
口から垂れる唾液を指で掬い取り、舐める様を見せつける。
「私のも、強請って下さいよ。さっきの、恥ずかしい言葉で」


ベルトを外し、スラックスのファスナーを下ろす。
軽く腰を突き出すと、おずおずと男の手が伸びてくる。
勢いよく突かれる衝撃に耐えながら、彼は俺の下着の中からモノを取り出した。
「ほら、課長。おねだりは?」
手を添えられた性器は興奮を明らかにしている。
彼の痴態に昂ぶる事実が、何故か、嬉しかった。
「う、あ・・・お、ちんちん、くだっ、さい」
嘲笑を浴びせ、口元にモノを押しつける。
程なく、震える唇が触れ、男の口の中に吸い込まれていった。

□ 36_暴露★ □
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□ 72_虚飾★ □
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下剋上の快感。

非公開コメントですが、お返事させて頂きます。

コメント頂きまして、ありがとうございます。
上司と部下、どんなに相手の弱みを握ろうとも
会社と言う組織の中では絶対的な上下関係にあるものです。
だからこそ、掌中に収めた時の優越感たるや、何とも言えない快感であり
下剋上物を書くのは、一種のストレス解消になっている気もします。

では、これからもご愛顧のほどよろしくお願い致します。
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まべちがわ

Author:まべちがわ
妄想力を高める為、日々精進。
閲覧して頂いた全ての皆様に、感謝を。

2011-3-12
東日本大震災の被害に遭われた方に
心よりお見舞いを申し上げます。
故郷の復興の為に、僅かばかりにでも
尽力出来ればと思っております。

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