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虚飾★(2/5)

洗濯機の上に乱雑に投げ出された上着とスラックス。
狭いユニットバスの中、ワイシャツの裾をたくし上げて露わにされた男の下半身に粘液を垂らしていく。
摺り込む様に手を動かすと、毛に絡みついた液が下品な音を立てた。
「ちゃんと、溜めて来てくれました?」
壁に手をついた彼のモノは、既に硬さを帯びている。
肩を大きく震わせながら、上司は部下の手淫を受け入れていた。

いきり立ったモノから手を離し、その身体を床にしゃがみ込ませる。
手に取った玩具を一舐めし、彼の顔に近づけた。
「気に入って貰えるかと思って、買ってみたんです」
差し出された物体に、躊躇いがちに舌を伸ばす上司。
腰の奥に手を入れ、前に擦り上げるように穴に手をかける。
「自分で、入れてみて下さい。ここに」

小さな呻き声と共に体内に沈み込んでいく黒い物体。
根元近くまで入り込んだのを見計らって、彼の手の上に自分の手を添える。
「・・・っあ」
軽く捻るように動かすと、目の前の男は眉間に皺を寄せながら喘いだ。
徐々に動きを激しくすると身体は前屈みになり、揺れるネクタイが腕に触れる。
「感じてるんですか?課長」
「う・・・っく」
「あの時が初めて、なんて言ってた割には、気持ち良さそうですね」
「そ、んな」
下げた視線の先では、堪えきれないと言わんばかりのモノがだらしなく汁を垂れ流す。
回を重ねる度に卑しさを増す身体は、俺との逢瀬だけで作られたものではないのだろう。

彼の首元で振れるネクタイを外し、腰の後ろで手首を縛る。
不安定な姿勢のままで、その手を玩具に添えさせた。
「私が戻るまで、こうやって遊んでて下さい」
鼻の頭から眉間に唇を滑らせると、白髪交じりの前髪が湿気を帯びて纏わりつく。
熱い吐息が首筋からワイシャツの中に入り込んで、この夜への期待を高める。
「物足りなくなったら、スイッチ入れても良いですよ」
「はや、く」
「何ですか?」
「もど・・・って」


ニット帽を目深に被った男は、薄暗いショットバーの前でスマートフォンを弄っていた。
「渉君、だっけ」
顔を上げた彼の左耳に嵌るリング状のピアスが、車のヘッドライトで赤く輝く。
「あんた・・・ああ、あん時の」
「わざわざ、悪いね」
「話があるって?」
興味深げな眼差しが、俺の足から頭を行き来する。
愉快な気分では無かった。
「中で、話そうか」

スタンディングテーブルの前に立った俺と、幾分距離を詰めた場所に彼は位置取る。
長居するつもりは無い。
それを示す為に、ウイスキーをショットグラスでオーダーした。
「何?上司と部下だけの関係じゃ、無くなった訳?」
俺の顔を覗き込む若い男は、下品な笑みを浮かべる。
「まさか」
「オレに話つけようってんでしょ?」
「別に。あの人が君をどう思っていようと、知ったこっちゃない」
「・・・何がしたいんだ、あんた」
腰に回されようとする手を避ける様に、身体を傾けた。
「隠し事されてんのが、気に食わないだけだ」

上司と若い男との関係は、想像通りのものだった。
「小遣い多めにくれるからね。良いお客さんだよ」
既に飲んでいたのか、酒が回り始めた男の口は随分と滑らかになる。
「飯食って、ヤって、そんで10万くらいくれるんだぜ。ボロい商売だよな」
二人が会うのは、月2回程。
多い時では週1回会うこともあると言う。
ウチの会社の給料を考えると、課長クラスでもそれだけの金を出せる程の額にはならない。
まともな金じゃないことは、間違い無かった。

「上司の弱み握って、自分がのし上がろうって魂胆?」
未だ腑に落ちないと言った表情を見せる男は、おぼつかない口調でそう問うてくる。
「男が皆、上に立ちたいって考えてると思うのか?」
「何でだよ?昇進すれば、美味しいこともあるんだろ?」
彼は、上司の羽振りの良さを、立場の高さと結びつけているのだろう。
降りかかる責任の重さ、上役や部下からの突き上げに耐えきれず、病む男達を何人も見てきた。
そんな目に合わなくても、俺には掌中に策がある。
「上手く使える道具があれば、ヒラでも十分ウマい思いは出来るんだよ」

しな垂れかかる様に身体を預けてくる男を押し返す。
「じゃ、行こうか」
「は?何処に?」
「俺んち」
「何しに?・・・ヤらせてくれんの?」
あながち冗談では無いのか、細く歪んだ眼がスーツの内を探る。
視線を鼻で笑いながら、彼に今日の目的を話した。
「君らがいつもやってること、俺に見せてよ」

□ 36_暴露★ □
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□ 72_虚飾★ □
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まべちがわ

Author:まべちがわ
妄想力を高める為、日々精進。
閲覧して頂いた全ての皆様に、感謝を。

2011-3-12
東日本大震災の被害に遭われた方に
心よりお見舞いを申し上げます。
故郷の復興の為に、僅かばかりにでも
尽力出来ればと思っております。

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