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暴露★(1/7)

「岩佐君・・・こんなこと、やめるんだ」
「やめろって、息が荒くなってますよ?夏目課長」
種々の資料が詰め込まれた棚に手をつく上司の身体を、後ろからゆっくりまさぐっていく。
カーディガン越しの体温と、荒くなっていく呼吸を間近で感じる。
ワイシャツをスラックスから引き抜き、その肌に直に手を触れると
うな垂れた彼の頭は、軽く左右に触れる。
「抵抗しないってことは、まんざらでもないんですよね?」
意地悪い口調で囁くと、目を閉じた彼の眉間の皺が深くなった。
小刻みに震える身体は徐々に熱を帯び、鼓動が早くなっていく。
興奮が抑えられず、思わず唾を飲む。

上司の身体を思い通りに出来る優越感に包まれながら
嫌がる素振りを見せつつ、快楽に溺れていく彼を想像する一時。
一回り以上も年上の男の痴態を思い描き、自らの身体を慰める。
彼を、俺の手の中に。
芽生える衝動を摘み取り、踏み固めるほどに、欲求は募る。


「この間のショッピングモールの進捗はどんな感じ?」
「一通り指摘事項をまとめ終わっているので、今日中には事務所にチェックバックします」
作業机の上に広げられた図面に目を落としながら、夏目課長は話を続ける。
「避難経路が複雑だね」
「ええ、バックヤードの部分が込み入ってるので、ちょっと排煙が過剰な感じになりますね」
「まぁ、人の命には代えられないから、仕方ないか」

建物の防災計画を取りまとめるコンサルタント会社の設計部。
設計事務所から上がってくる消火設備や排煙設備の図面を検証する業務に就いて7年目。
目まぐるしく変わる関連法規を頭に入れるのにも精一杯だった時期も過ぎ
やっと一人で物件を持てるまでになって来た。
それでも大型店舗や高層のオフィスビルについては、諸設備について分担することもあり
丁度今は、ショッピングモールの排煙設備についての検討を行っている。

「この部分も、安全区画にした方が良いかもね」
赤ペンでチェックが入った書類の一部を指差し、上司が言う。
「二方向避難の経路だけど、幅員も小さいし、曲がりも多いから」
「分かりました、伝えます」
夏目課長は、この道20年のベテラン。
穏やかな口調と気の弱そうな見た目ながら、その実、知識と経験は抜群で
下請けや客先からは高い人望を得ているようだった。

チェックを入れる俺の横で図面を眺めている上司の携帯に、電話が入る。
携帯のディスプレイに視線を落とし、一瞬俺に目を向けた。
「じゃ、後は宜しくね」
軽く微笑んだ彼はそう言い残し、電話に出る事無く去っていく。


月末の締め日近くになると、下請けの設計事務所からの請求がメールでやって来る。
図面の作図や各種計算など、多くの業務に関する書類に目を通す中
一通、気になる請求書が紛れ込んでいた。
俺が担当していた物件ではあったが、依頼した覚えも無く、しかも高額。
何かの手違いだろうか、そう思って件の事務所へ電話を入れる。

「今日送って貰った請求書なんですけど、これ、頼んでないと思うんですが」
電話に出た設計事務所の担当は、俺の言葉で少し警戒するような口調に変わる。
「あ、いえ・・・それは、夏目課長に」
「夏目から何か言われました?」
「以前、全額頂けなかった分の、補填と言うことで・・・」
「それにしても、ちょっと、額が大きいですよね」
島の向こうに座る上司に目を向ける。
電話の相手と内容に気がついたのだろうか、彼は席を立ち、俺の方へ向かって歩いて来た。
「それは、課長から・・・ご指示頂いて・・・」
「ちょっと、代わってくれるかな」
口ごもる声と、上司の声が被る。
釈然としないまま、俺は彼に受話器を手渡した。

「夏目です。すみませんね、連絡不足だったようで」
開口一番、彼はそう言って下請けに謝意を示す。
「ええ、これで大丈夫ですんで。これからも、宜しくお願いします」
電話を切った上司は、俺のパソコンの画面に映る請求書のファイルを閉じながら、言った。
「あっちで、話そうか」
温和なトーンの中に僅かに混ざる、不穏な雰囲気。
フロアの外へ向かって歩き出す彼に、俺は黙ってついて行くことしか出来なかった。

階段ホールから突き出たような形になっているバルコニー。
ささやかな喫煙所として機能しているこの場所は、密談の場所としての役割も果たしている。
上司は胸ポケットから箱を取り出し、火を点ける。
泣き出しそうな空から吹く風が、煙を飛ばしていった。
「そろそろ君にも、分かっておいて貰った方が良いかな」
「・・・何を、でしょうか」
その表情に浮かぶ笑みは、いつものものとは違って見えた。
心の奥の猜疑心が、そうさせていたんだろう。
溜め息のように煙を吐き出しながら、彼は俺を見る。
「金の集め方、をね」

□ 36_暴露★ □
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□ 72_虚飾★ □
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暴露★(2/7)

こなすべき仕事をこなし、その対価として金を受け取る。
それが本来あるべき姿。
会社を回す為、取引先との関係を円滑にする為。
その手段として金が使われるのは、致し方ないことだと分かってはいる。
けれど、日常としてそんな行為が行われていることに嫌悪感を抱くのは
俺がまだ未熟だからだろうか。

通常の業務の金額に上乗せする他、空物件の請求をさせることで金を渡し
見返りとして、下請け事務所から現金や商品券を受け取る。
それが、彼のやり方だった。
「要するに・・・賄賂、ですか?」
俺のストレートな物言いに、彼は苦笑して軽く咎める。
「彼らはそれで仕事を得られる。社員に給料も払える。互いに損する話じゃ無いよ」
「そうですが・・・」
連絡手段は全て携帯。
メールもフリーメールを携帯でやり取りすると言う、したたかな方法。
柔らかな人柄に隠された、上司の一面。
気味の悪さが先に立ち、顔が強張っていくのを感じていた。

「これからも、覚えの無い請求書が行くと思うけど」
丁寧に火を消し、その吸殻を灰皿に落とす。
「何も言わずに、決済してくれて構わないからね」
そう言って、彼は俺の肩に手を置き、微笑んだ。
「その内、岩佐君も分かるようになるよ」

同僚も、先輩も、上司も、いつもと同じように仕事をしている。
会社ぐるみで行われていることなのか、夏目課長だけがやっていることなのか。
それすら聞くことの出来ない状況の中で、不信感だけが募っていく。


珍しく常識的な時間に退社した夜。
ビルのエントランスホールで、偶然同期の八巻と顔を合わせた。
「何、こんな早い時間に帰るって、暇なのか?」
「この時間で早いって、お前の部署、どうかしてるぞ」
「お互い様だろ」
時計は、既に夜9時前。
これが冗談にならないところが、ウチの会社の恐ろしいところだ。

八巻が所属しているのは、防災に関連するあらゆる法規を取り纏め
社内ネットワーク上にあるデータベースに反映させる、会社の頭脳と言える部署。
そのデータを元に、設計部隊は図面や計算書を監査・検討していく。
「春の消防法改正分が、やっと一段落ついてね」
「お疲れさんだな。俺らもホントに、助けられてるよ」
テーブルに置かれたビールのジョッキを呷り、同期は得意げな顔を見せる。
「そう言って貰えると、遣り甲斐もあるけどな」

会社の最寄り駅の近くにある、チェーン店の居酒屋。
とりあえず終電までと約束として入ったその店は、週末だからか、随分混雑している。
「そっちはどうだ?」
「一先ず、手がけてた大型物件の申請が終わったところ」
「最近は、煩雑な経路が多いから、大変だろ」
「全く・・・いつまで経っても勉強が終わらない気分だ」
軽く溜め息をつき、目の前の刺身を口に放り込む。
解凍されきっていないタコの感触を、無理矢理ビールで流し込んだ。


視界の端に映った人物に、思わず目が囚われた。
いつからいたのだろう。
少し離れた壁際の席に、見覚えの無い若い男と夏目課長が座っている。
こちらに背を向けている上司の表情は分からない。
俺の目線を追いかけるように、八巻が身体を捻った。
「あれ・・・お前んとこの上司じゃね?」
「あ、ああ。ウチの課長」
「連れは・・・子供、か?随分若いな」
「いや、結婚はしてないはず」
どちらかと言えば、積極的に人付き合いをするような人柄じゃない。
下請け会社の社員かなんかだろうか。
それにしては、若すぎる。

その時、突然上司がこちらに振り向いた。
見てはいけないような感覚に駆られ、顔が引きつる。
俺の気持ちとは対照的に、彼の笑みは穏やかだった。
こちらに対して少し首を傾げ、再び若い男の方へ身体を向ける。
一瞬目が合った若い男もまた、何処か含みを持たせた表情を見せ、目を逸らす。
立ち入っちゃいけない。
分かっているのに、つい、その関係を勘ぐってしまう。
人の良さそうな上辺だけしか知らなかったら、どんなに良かっただろう。


狭いトイレで鉢合わせしたのは、あの若い男だった。
相当飲んでいるのか、足元がおぼつかない様子で、手を洗う俺に近づいてくる。
「あんた、あの人と、どう言う関係な訳?」
力の抜けた状態でしなだれかかられ、よろめいた身体が壁で支えられる。
「ちょっと・・・」
「部下とか?そんな感じ?」
「君・・・飲み過ぎなんじゃないのか?」
俺の身体に寄りかかるように身体を密着させ、泥酔した顔を近づけて彼は言った。
「オレ、あんたの方が、好みかも」

□ 36_暴露★ □
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暴露★(3/7)

怯んだ表情が、彼を刺激したのだろうか。
無理矢理感じされられた男の唇の感触に、背筋が凍った。
力任せにその身体を押し返す。
「何すんだよ?!」
洗面台の方へ倒れた彼は、カウンターにぶつかり、そのまま床にしゃがみ込む。
精一杯の拒否反応も、酔いの回った頭には響かないのだろうか。
「いいじゃん、何なら、ここでやろうよ」
そう笑いながら、彼は俺の足を掴んだ。

酷い嫌悪感に支配された脳裏に、彼の連れの顔が過ぎる。
ここで蹴り飛ばしたりしたら、まずいことになるかも知れない。
「何言ってんだよ。意味分かんねぇ」
手を振り払い、男に背を向けて歩き出した時、不意にドアが開く。
「こんな所にいたのか」
心配そうな上司の視線が、床に座る男に向けられた後、俺に移る。
「・・・悪かったね。何か面倒かけたかい?」
殊勝な口調で問いかけられ、言葉に詰まる。
「いえ・・・別に」
この男は何者なのか。
どういう関係なのか。
言葉が口から出そうになっているのを、彼は感じたのかも知れない。
早く出て行ってくれ、そんな縋るような眼差しに追い立てられるよう、俺はその場を後にした。


「遅かったな。腹でも下したか?」
かなりご機嫌な様子の八巻に絡まれ、気分は更に冴えなくなる。
「いや、大丈夫」
すっかり酔いを飛ばされた頭は、この短い間に起こったことを整理しようと必死になっていた。
「そう言えばさ」
「ん?」
「さっきの、お前の上司と一緒にいた男」
目の前に迫ってくる奴の顔がスローモーションで思い返され、嫌悪感がぶり返す。
「・・・何?」
「誰かに似てるなぁって思ってたんだけど」
そう言いながら、同僚は俺の顔を直視する。
「ちょっと、お前に雰囲気似てるよな?」
「はぁ?そうか?」
「隙がありそうな感じとか、人の意見に流されそうな感じとか」
「何だよ、褒め言葉は無しか?」
「褒めるとこ、ねぇじゃん」
「失礼な奴」
客が減ってきて見通しが良くなった客席に、男を抱えた上司が戻ってくる。
うな垂れる男の姿を見ても、自分と似てる要素は何も感じなかった。
「似てねぇよ、全然」


吐き気がするような感触が、悔しいほどに剥がれない。
女とキスすることを想像することはあっても、男となんて、考えたことも無かった。
それなのに、思い返しては気分を悪くすることで、昂りを感じてしまう。
不気味な笑みの向こうに、上司の姿が重なる。
上司も、あの行為を受け入れているのだろうか。
俺に似ていると言う男に抱かれる時、彼は、どんな表情を見せるのだろう。
闇に包まれた彼の本性。
ちらつく影に杞憂するより、いっその事、全てを暴いてしまおうか。


「避難安全検証法に基づいて、特避附室に給気する形にしたいそうだ」
打合せ机に並べられた高層ビルの建築図。
センターコアのオフィス主体のビルで、特別避難階段は2箇所と言う典型的な構造だ。
「居室部分で排煙と言うことですね」
「中の間仕切りはまだ想定なんでね、排煙区画も設定しちゃってくれるかな」

避難安全検証法は、建物の中から避難する際の安全性がどのくらい高いのかを示すことで
廊下の幅や歩行距離、排煙方式についての規定を緩和できるもの。
各室・各区画について、複雑な数式で表される基準をクリアできているのかどうか検証する必要がある。
もちろん、それ用の計算ソフトはあるけれど、根気の要る作業だ。
「一応仕様は上がって来てるから。不明な分があったら問い合わせて貰って構わないよ」
「これ・・・納期はどのくらいなんですか?」
「後手後手に回っちゃったみたいで、遅くても土曜日って言われてるんだけど、どう?」
今日は水曜日。
土曜日は休日出勤確定だな。
そう思いながら、大丈夫です、と返した。


思った以上に面倒だと分かり始めてきたのは、既に週末の夜になってからだった。
追加でやってくる仕様変更の情報が積み重なっていく。
後輩と手分けしながらでも、夜を徹して終わるかどうか。
頼みの綱の夏目課長は、既に退社している。
晩飯でも食いに行くか、そう後輩に声をかけた時、社内の電話が鳴った。
「岩佐さん、課長からですよ」

落ち着いた彼の声は、周りの雑踏に掻き消されてしまうようだった。
「急な変更が来てるみたいだね。何とかなりそう?」
「どうでしょう・・・一応明日の昼までには、形になると思うんですが」
「じゃあ、終わったところから打ち出しておいて貰えるかな」
「え?」
「遅くなるかも知れないけど・・・会社に戻って、僕がチェック入れるから」
ふと、街の片隅に立つ上司の姿が脳裏を過ぎる。
隣には、あの男がいるのだろうか。
妄想を掻き消しながら、答えた。
「分かりました。助かります」

□ 36_暴露★ □
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暴露★(4/7)

一緒に作業をしていた後輩は、終電時間に合わせて帰した。
広々としたオフィスで、一人黙々と計算を続けてどのくらい経った頃だろう。
背後の物音に振り返ると、上司が立っていた。
「お疲れ様。岩佐君一人?」
「ええ、課長が手伝って下さると言うことなので。私だけでも大丈夫かと」
わざとらしくそう言ってみると、彼は目を細めて俺を見る。
「あまり期待されても困るよ。もう、徹夜はキツい歳だからね」

一通りの居室に対する検証が概ね完了したのは、朝の4時を迎える頃だった。
少し離れた作業机では、検証法に関する資料に目を通しながら、課長が計算書をチェックしている。
「どんな感じですか?」
「そうだね、幾つか指摘事項があるから、まとめておいてるよ」
「内装がまずい所がありましたよね」
「後は、天井高が足りない所もあるね。全体的に煙の降下時間が早いな」
そう言いながら、彼は席を立ち、資料が収められている棚へ向かう。
いつものようにワイシャツの上にカーディガンを羽織った上司の後姿。
パッとしないと思っていたその姿が、内側の闇に照らされ、変わって見えた。
「・・・課長」
「ん?」
「彼と、どんな関係なんですか?」
一冊の資料を手にしたまま、彼は何も言わず棚の前に立ち尽くす。
その態度が、俺の小賢しい優越感を刺激した。

近づく俺に向けられた視線は、何処か脅えている様だった。
「どんなって・・・ただの、知り合いだよ」
「今日も、一緒だったんですか?」
「関係ないだろう?」
立ち去ろうとする彼の腕を掴み、その身体を引き寄せる。
「彼、言ってましたよ。私の方が、課長より好みだって」
「言ってる意味が・・・」
動揺した目が、震えながら俺を見つめていた。
その顔を手を添え、自分の顔を近づける。
いい歳をした男と向き合う自分を、客観的に見ている冷静な自分がいた。
それを追い払うよう、一拍呼吸を置き、上司と唇を重ねる。
トラウマになりそうな感触が、再び、纏わりついた。


俺の身体は突き返される事無く、相変わらず彼の間近にあった。
「彼とは、こう言う関係なんですか?」
目を伏せた上司は、大きく溜め息をつく。
「それは・・・」
切ない表情が、心を追い立てた。
「ああ言う、男が、タイプなんですね。意外だな」
「君には・・・分からないよ」
「そうでしょうね」
「なら、放っておいてくれ」
上司は俺の腕を振り払い、背を向ける。
その肩に手を回し、再度抱き寄せた。
「いい加減にしないか」
「・・・彼、似てますか?私に」
身体が一瞬強張るのを、腕で感じる。
すぐ側に迫った耳に唇を近づけ、軽く挟み込む。
小さく反応する身体を、ゆっくりとまさぐっていく。
さしたる抵抗を見せることの無い彼の口から、震える吐息が漏れた。
それが、答だったのかも知れない。

棚に手をかけるよう立つ上司の身体を、その背後からゆっくりと擦っていく。
少し毛羽立ったカーディガンの感触が、彼の体温と相まって心地良い。
「こんなこと・・・やめるんだ」
「どうしてですか?彼と、いつもしてるんでしょう?」
「そう言う訳じゃ・・・」
「社内だからですか?誰も来ませんよ、こんな時間に」
スラックスの上から痩せた尻に手を回す。
押し黙る彼の下腹に手を添えて腰を突き出させると、自分の股間が軽く当たり、昂揚感が増した。
「一体、どうしたんだ・・・岩佐君」
「嫌ですか?」
スラックスの中からワイシャツを引き出し、その中に手を入れる。
熱を帯びてきている肌の感触が、現実感と興奮を呼ぶ。
「嫌だったら、抵抗して下さい」
両手で上半身をまさぐるほどに、彼の頭がうな垂れ、揺れる。
「それとも・・・私にされるの、待ってました?」

早まる彼の鼓動に引っ張られるよう、俺の気分も乱れていく。
僅かに固さを帯びた乳首を転がすように刺激すると、両肩に力が入り、浮き上がる。
しばらく指を動かしていると、深い吐息に静かな声が混ざって来た。
「こっち向いて下さいよ」
俯いた顔が、少しだけ横を向く。
悶えるような表情が、前髪の隙間から見えた。
「君、は・・・男に興味が、あるのか?」
険しい視線を向けながら、息絶え絶えに彼は問いかける。
「別に、無いですよ。・・・課長と違って」
「なら、どうして」
「隠されてるものがあると、不安なんです」
「何・・・?」
指の中の突起を軽く摘み上げると、くぐもった声をあげ、その顔が俯く。
「だから、私に、全部見せて下さい」

□ 36_暴露★ □
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暴露★(5/7)

二つの手が、上司の秘められた部分を少しずつ暴いていく。
開かれるにつれ、更に奥へと求める気持ちが身体を急かす。
ベルトを外し、スラックスの中に手を差し込んだ。
息を飲む音が、耳に響く。
下着の上から軽く触れたモノは、俄かに硬くなり、頭をもたげ始めていた。
上司である中年の男が、部下に身体を弄られ勃起する事実。
言い知れない混乱が、欲情を促す。

彼の顎に手を添え、うな垂れた頭を上向かせる。
目を閉じて顔を歪めるその首筋に、舌を這わせた。
軽く捩れる身体に呼応するよう、手の中のモノが波打つ。
「息が荒いですよ?夏目課長」
「も、う・・・やめて、くれ」
「良いんですか?本当に?」
根元から擦り上げ、先端を摘むと、肩を震わせ大きな吐息をつく。
そのまま布越しにゆっくり扱くと、徐々に腰が引けてくる。
「焦らされるのが、お好きですか?」
「そう、言う、意味じゃ」
やがて、膨張していくモノから滲む液体で湿っていく下着の感触が、手に絡む。
「・・・じゃ、ここで、止めましょうか」

顔を出し始めた陽の光が、ブラインドの隙間から差し込んでくる。
乱れた服を元に戻しても尚、棚に手をつき、うな垂れたままの上司の身体を前に向かせる。
唇を震わせ、潤んだ目が、俺を見ていた。
怒張の止まない股間に手を当てながら、耳元で囁く。
「続きは、明日、私の家でどうですか?」
「どうして・・・なんだ」
上下に手を動かすと、それを制するように彼の手が添えられる。
切なげな表情が、堪らなかった。
「言ったじゃないですか。全部知りたいって」
頬にそっとキスをして、一言付け加えた。
「その表情、飽きるほど、私に見せて下さい」


集中力を欠いた上司をよそに、計算書のチェックを済ませていく。
幾つかの問題点を指摘事項として書類にまとめた後、先方へメールを送る。
眠気と疲労でだるい身体を引き摺るように会社を出たのは、もう昼近くだった。
「来て、頂けますよね?」
別れ際、そう問うた俺に遣り切れない表情を見せ、何も言わなかった上司。
それでも、何故か確信めいたものを感じていた。
彼は、俺の手に落ちる、と。

家に着き、シャワーを浴びる。
霞のかかる意識の中で、課長との情事を思い返す。
自らを突き動かしている感情は、何なのか。
彼の全てを暴き出すことで満たされる、支配欲?
上司が抱いているであろう、俺への感情を逆手に取って、歪んだ欲求を満たそうとしている。
これじゃまるで、彼のやり方と一緒だ。

下請けから裏金を吸い上げ、部下の面影を感じさせる男と一夜を共にする、気弱な男を装う上司。
その羊の皮を剥いでやりたいと思う気持ちは、身体まで昂らせる。
流れる湯の中で、自らのモノに手をかけた。
官能的な網に絡め取られた彼の表情を思い出し、屈折した気分を解消する。
彼の心を何処まで暴いたら、俺は満足するんだろう。
そう考えるだけで、顔が綻んでいく。


インターホンのディスプレイに写し出された彼の顔には、諦念が満ちていた。
程なく、戸口に立つ上司と対峙する。
「来て頂けないかと思ってましたよ」
何も言わない彼の手を引き、室内に招き入れる。
俯く彼が口を開いたのは、リビングに差し掛かる頃だった。
「君は・・・何を、したいんだ」
「課長は、私に、どうして欲しいんですか?」
見慣れない私服姿の彼の腰に手を回し、引き寄せる。
「何をされたくて、ここまで来たんですか?」

唇を噛み、床に視線を落とす顔に手をかける。
そのまま、廊下の壁に彼の身体を押さえつけ、束の間、唇を重ねる。
半開きになった震える口が、まるで何かをねだる様に見えた。
下唇に舌を滑らせると、彼の舌が顔を出し、ザラザラとした感覚が舌先に絡みつく。
深い吐息を浴びながら、互いの舌を縺れ合わせる。
細く開いた目、紅潮していく顔、微かに漏れる水音。
その全てが、俺の心を刺激していく。

力なく壁にもたれる身体を、引き寄せて抱き締める。
白髪の混ざる髪の毛が、こめかみの辺りをくすぐる。
激しさをやや増した鼓動が、胸に響いた。
「もう・・・君の好きなように、すれば良い」
「そんな言い方、ずるいですよ」
背中に回した手を、腰の方へ下げていく。
「私のこと・・・嫌いになりました?」
「別に、僕は・・・」
太腿を撫でると、足の付け根から腰の辺りが強張っていくのを感じる。
彼の震える手が、手首を捕らえた。
「想いを、果たそうなんて・・・思って、無いんだ」
消え入りそうな声が耳に届く。
それが、最後の砦を崩した。

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暴露★(6/7)

洗面台と一緒になった狭いユニットバス。
互いに服を着たまま、その中に立つ。
壁に肘をついた上司の身体に、背後から手を伸ばす。
Tシャツの上に黒いシャツを羽織っただけの彼の上半身は、僅かに震えていた。

襟元を広げ、うなじに軽く吸い付く。
耳の後ろの方へ向かって舐っていくと、彼の頭が段々と沈み込んでいく。
胸元を弄る手に吐息がかかり、その身体が昂っていく様子を直に感じた。
右手を彼の顎にかけ、上を向かせる。
中指を唇に這わせると、その口が指を包み、濡れた感覚が指先に走る。
もう一方の手をTシャツの中に差し入れ、直接肌を撫でていくと
指先への刺激が、激しく、深くなっていった。

妖しく動く舌を指で軽く押さえつけながら、硬くなり始めた乳首を摘むと
眉間に皺を寄せながら、咳き込むように苦しげな声を吐いた。
繰り返すほどに、肩が揺れ、身体の角度が徐々に傾く。
閉じられない口からは、震える息と共に涎が垂れる。
指を抜き、濡らされた手の甲を口の前に差し出すと
汚してしまったことを詫びるように、彼は静かにそれを舐め取った。
俺の中の支配的な感情が、その行為で更に増長する。


胸の上までたくし上げたTシャツの裾を咥えさせる。
洗面台に置いてあったシェービングジェルを手に取り、痩せた胸板に塗り広げていく。
滑りのある、ひんやりとした触感に、身体を支える彼の腕は緊張しているようだった。
刺激を待ち侘びる突起を指で弾くと、悶えるように頭を振る。
突き出されてくる彼の尻が俺の股間に触れると、憚るように腰を引く。
腕の中の上司は、着実に、快楽へ落ちて行っていた。

ベルトを外し、チノパンの前を開ける。
粘液がついたままの手を、腹から下腹部へ滑らせ、撫でつける。
トランクスの縁をなぞる様に腰周りをまさぐりながら、尻の方から中へ手を潜り込ませた。
尻を掴んでこちらへ突き出させ、足の付け根を辿って前へ手を伸ばす。
既に張り始めたモノを根元から擦り上げると、待ち兼ねたような声が喉の奥から響いた。

邪魔な衣服を膝の辺りまで下げ、剥き出しになったモノに、直接ジェルを落とす。
玉を弄りながら、ゆっくりと扱いていくと、卑猥な音が立つ。
うな垂れた頭がユニットバスの壁にもたれかかり、荒い鼻息の音が、辺りに充満した。
「・・・私で、抜いたりするんですか?」
その問に答えようとしない彼は、けれど、自らの身体で示してくれる。
言葉に反応するよう、手の中のモノが俄かに興奮していく。
「良かったですね。今日から、ズリネタが増えますよ」
鼻で笑いながら指で先端を擦ると、ジェルとは違う液体が染み出てくるのが分かった。


本来ならこんな使われ方はしないだろう物を、手に取る。
それを虚ろな目で見ていた上司は、たじろぐような表情を浮かべた。
「あいにく、悦ばせる様な玩具は持ってないんで。これで我慢して下さいね」
目的が異なるだけで、こうもいかがわしく見えるもんなんだろうか。
スイッチを入れると、先端のブラシが軽く振動を始める。
汗ばんだ首元に当てると、全身が一瞬痙攣し、呻くような声が出る。
下へ移動するにつれ、息が荒くなり、早くなる鼓動が手を伝わって感じられた。
指とブラシで、乳首の周りを焦らすように弄る。
堪りかねた様な声が、布を通しても尚、大きくなっていく。
一方を摘み上げ、他方にブラシを押し付ける。
耐え切れなくなった口が、咥えていたTシャツを放し、喘ぎの混ざる息を吐き出した。
「そんなに、可愛らしい声、出しちゃうんですね」
「こん・・・な、こと」
「まだ、抵抗するなんて、悪あがきが、過ぎませんか?」
歯ブラシを持つ手を、次の的へ近づける。
何の意味も持たないことは分かっているはずなのに、彼は力なく首を横に振った。

2種類の粘液が絡みついたモノは、完全にいきり立っている。
手で押さえる様に握り、ブラシを先端に当てる。
快感に打ち震える叫びが、空間に響いた。
全体に撫で付けるように転がしていくと、膝が少しずつ崩れ落ちていく。
「もう、これじゃ歯は磨けませんよね」
根元からゆっくりと扱きながら、ブラシの回転を徐々に強める。
「これは、課長専用に・・・しましょうか」
必死で抑えようとしている声が、耳から脳を刺激した。
「電動歯ブラシ見て、身体が疼くように、してあげますよ」
「勘弁・・・して、くれ」
「素直じゃ、ないですね」
ブラシを離すと、先端から糸を引く。
卑猥な照りを纏ったモノが、小刻みに震えていた。
上司が自らの手に落ちてくる様子を見ながら、身体と心が、激しく昂っていった。

□ 36_暴露★ □
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□ 72_虚飾★ □
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暴露★(7/7)

上半身を寝かせ、腰を突き出した格好にさせる。
腰の辺りから、本来の目的を見失ったジェルを垂らし、尻の割れ目に伸ばしていく。
やがて達した穴を、浅く解すように指先で弄る。
「ここも、感じるんですか?課長」
「・・・そこ、は」
「あの男には、突っ込まれたんでしょう?」
「して、ない・・・そんな」
爪の先を僅かに入れると、酷く窮屈な締め付けが感じられる。
強張る尻の感触が、その経験の無さを訴えているようだった。
「じゃ、試してみましょうよ。どんなもんか」

彼の物になった電動歯ブラシの柄に粘液を纏わせて、割れ目に沿わせる。
「頼む・・・」
懇願する声は、俺の気持ちを後押しするだけだった。
やや丸みを帯びた先端を穴に押し付け、解すように何回か擦りつけた後、少しずつ沈み込ませる。
「力、抜いた方が良いですよ?」
苦しげな声を上げる上司の背中を、衣服の上から撫でる。
小刻みに震える身体は、今にも崩れ落ちそうだった。
徐々に潜り込んで行く白い物体。
彼の声が訴えるものが、苦痛だけでは無くなるのに、それほど時間はかからなかった。

半分ほど入り込んだ柄を、捩じる様に動かしてみる。
「結構入っちゃいましたね」
背中を反らし気味に上半身を軽く起こして刺激に耐える彼は、荒い息を上げる。
緩やかに出し入れを繰り返すと、それに合わせるように、腰が浮いて来る。
締め付けが和らぎ、抵抗がそれほど無くなって来た頃
自身の身体を支えるように壁を掴む彼の手を取り、物体に沿わせた。
「どうすれば良いか、分かりますよね?」

風呂の縁に腰掛け、上司の痴態を後ろから眺める。
戸惑いが振り切れたのか、快楽を求める動きはスムーズになり
抜き差しされる度に漏れる声は、いやらしさを増していく。
張りが若干弛んだモノからは、液体が雫になって床へ落ちていった。
「折角だから、電源、入れてみましょうか」
その声に、一瞬動きが止まる。
浅い溜め息をついた彼は、スイッチに手をかけ、辱めを受け入れる。
低い振動音が聞こえ始めると、その上半身が壁にもたれかかっていった。
間を置かず、膝が折れ、床に手をついたまま刺激に耐える上司。
機械的に跳ねる身体が、気分をますます高揚させる。
そろそろ、我慢も限界に達していた。


彼の傍らに立ち、前髪を掴んでこちらを向かせる。
焦点の定まらない視線が、俺の身体をくすぐった。
「夏目課長の恥ずかしい格好見てたら、こんなんなっちゃいましたよ」
目の前に、ジーンズの中で膨らんでいるモノを突き出す。
「処理して、貰えませんか?」
俺を見上げる眼差しに、抵抗の文字は、無い。
無意識の内に、顔が緩んだ。

ベルトに手がかかり、ジーンズの前が開けられる。
剥き出されたモノは、自分でも驚くくらい勃起していた。
彼の舌が先端を這う。
生温い、湿った感覚が、快感となって背筋を走った。
思わず漏れた吐息が合図になったのだろうか、彼は部下のモノを咥え、頭を動かし出す。
その様子を見下ろしながら、優越感に包まれた快楽に溺れる。

絶頂が近くなり、前後に動く彼の頭を押さえつける。
「しっかり、喉、開けてて下さいね」
そのまま、腰を動かし、喉の奥までモノを突き立てた。
感じたことの無い感触が、全身を痺れさせる。
悲痛な呻き声を上げる彼の喉が痙攣する度、それが新たな快感になっていく。
頂点に達する瞬間、口から抜き出し、目を固く閉じて悶える彼の顔に向かって射精する。
自らの精液で汚されていく上司の顔を見ながら、信じられないほどの満足感に包まれた。


彼の前にしゃがみ込み、薄目を開けたその顔を、液体を塗り広げるように撫でる。
白濁した液に塗れた唇に、指でなぞると、彼はその指をおずおずと舐め始めた。
「部下のザーメンの味は、如何ですか?」
相変わらず何も言葉を発しない口は、まるで味わうように指を舐り続ける。
下半身に手を伸ばすと、疼くモノが痛々しいほど張り詰めていた。
未だ潜り込んだままの振動体は、すっかり彼の腰を砕いているようで
時折小さく跳ねる腰が、彼の身体の緊張具合を示していた。

風呂の床に四つん這いにさせた状態で、歯ブラシをゆっくりと出し入れする。
「ここだけで、イけるもんなんですかね?」
モノには手を触れず、徐々にストロークを激しくしていく。
頭を振りながら全てに耐える彼の身体は、一気に上り詰めているようだった。
程なく、上ずった声が空間に響き、彼は床に精液をぶちまける。
弛緩したその身体が、床に堕ちて行った。


皺だらけの服を脱がし、壁にもたれかかるように立たせた身体に、シャワーの湯を掛けていく。
濡れた顔に手を添えると、張り付いた前髪の下にある虚ろな眼が、俺を見た。
ゆっくりと顔を近づけ、唇が触れる直前で動きを止める。
「どうして欲しいですか?課長」
少しだけ開いた口が、震えながら息を飲み込む。
「・・・キス、して・・・くれないか」
唇を重ね、舌を呼ぶ。
素直に差し出される彼の舌を、じっくりと舐り回す。
喘ぐような吐息が、再び脳の中を刺激して行く。
「そんな声出して、まだ、足りないんですか?」
問に答えない彼は、俄かに視線を俺から外す。
彼の身体の疼きが、俺との僅かな距離を伝播してくるようだった。
「・・・じゃあ、もっと、見せて下さい。あなたの、全てを」

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まべちがわ

Author:まべちがわ
妄想力を高める為、日々精進。
閲覧して頂いた全ての皆様に、感謝を。

2011-3-12
東日本大震災の被害に遭われた方に
心よりお見舞いを申し上げます。
故郷の復興の為に、僅かばかりにでも
尽力出来ればと思っております。

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