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未練★(11/12)

僅かに空き始めた隙間に、もう一本、中指を滑り込ませた。
「くっ、う」
苦しげな声を上げた彼は、けれど、さっきほどの拒絶反応は見せなかった。
心なしか緩んできた空間を、二本の指で弄る。
「だいぶ、良くなってきたんじゃねぇの?」
「ん、すこ、し・・・楽」
「感じんの?」
「なんと、なく」
第二関節を軽く曲げたまま出し入れを繰り返すと、荒い呼吸に喘ぎが混ざり始め
粘液が引きつる、いやらしい音がユニットバスの中に充満していく。

肩を支えていた手を股間に伸ばす。
血管が浮き立ち暴発寸前のモノが、ほんの少しの刺激を待ち侘びている。
握り締め、親指で先端を撫でた。
「ちょ、ま、って」
途切れ途切れの声が、彼の全身から絞り出される。
壁についていた手が握り締められ、寸でのところで抗う様が窺えた。
「一回、イっとけ」
「ま・・・だ」
俺の忠告を聞かなかった男に、少し、罰を与えてみる。
「うあっ・・・」
更に責めの指を増やして中を乱暴に掻き混ぜながら、勢いよく性器を扱く。
自らの腕で口を塞ぎ、上半身を壁に預けた彼は、瞬く間に絶頂へと上り詰める。
「んっ・・・ぐ」
精液が噴き出すと共に、糸が切れたように緊張が解け、その背中が大きく波打った。

性欲が弾け飛んでも尚、彼の蕩けた場所を弄り続ける。
「次は、こっちだけで、イけそうか?」
崩れ落ちてしまいそうな姿勢の彼は、無言で首を縦に振った。
「俺の挿れるまで、我慢しとけよ」
ここまで拡がれば、多分、性器を受け入れることは難しくない。
微かな声を上げて腰を振る姿に名残惜しさを感じながら、指を引き抜いた。


浴室の床に屈みこんだ男は、深く息を吐きながら、自らの中に異物を入れていく。
「いつも、そうやって入れてんだ」
恥ずかしげに目を伏せる男に、わざと問うてみる。
「これが、入れやすい・・・から」
指で解しているからか、然程苦労せず深いところまで入り込む。
やっと視線を合わせてきた彼は、指示を待つかのよう、目の前に立つ俺を窺った。
「で、そっから、どうしてんの?」
重ねられた問いに躊躇う顔を見せつつ、男の手が自らを慰め始める。
ゆっくりと、捻じりながら出し入れされる度に、ローションが音を立てながら糸を引く。
「こんな・・・かん、じ」
目の前の淫らな姿に、言いようのない昂ぶりが身体を掛ける。
堪え切れず、彼の頭を掴み、ほぼ準備万端の自らのモノへ引き寄せた。
虚ろな眼をしたまま、男はそこに舌を伸ばす。
「あんま、がっつくなよ。俺も、ちょっと・・・やべぇ」

痛々しい程に赤く滾る性器が、彼の唾液を纏って照りを帯びる。
舐め上げられる度に、限界の二文字が頭を過っていく。
時折、俺を見上げてくる視線が身体を這い、理性を掻き乱す。
同じようなことは今まで幾度となくやってきたはずなのに、何かが違う。
多分それは、俺の中の彼が、心の中で大きく膨らんでいるからなのだろう。

「ちょ・・・っ、待て」
危ういところで動きを制止すると、彼は若干物足りなさそうな顔を見せた。
「いいじゃん、一回イって・・・オレ、また、しゃぶるから」
「お前と違って・・・そうそう、すぐには勃たねぇの」
顔を引き寄せ、唇を重ねる。
雑多な味を感じながら、吐息と舌を絡ませた。
「ゴム、あるか?」
「着けるの?」
「お互いの為だし・・・お前の中で、出したい」


薄い膜に塗られたゼリーの感触が、破裂しそうなモノを多少鎮めてくれる。
再び俺に背を向けた彼を抱き締め、背中を軽く愛撫した。
「痛かったら、我慢すんなよ」
「・・・分かった」
さっきまでと違い、その入り口は周囲をひくつかせながら受け入れる体勢を取っている。
潤滑液を俺と彼に纏わせ、静かに擦り合せ、性器を穴にあてがう。
息を吐きながら、ゆっくりと、彼の中に沈み込ませた。

予想以上に締め付けが激しい。
壁を掴む男の手に自分の手を重ね、前屈みの姿勢で身体を密着させる。
自然とモノが奥へと入り込み、彼の呼吸はますます荒くなった。
「っあ・・・う」
頬から首筋にかけて口づけを重ね、緊張を解いていく。
緩やかに腰を動かすと、喉奥から漏れる声が少しずつ弛む。
「ヒカル」
「・・・な、に」
「ずっと、こうしてたい」
段々と刺激を強くする。
二人の身体がぶつかり合う音が、空間に響く。
程好い具合になってきた彼の中で扱かれる快感が、欲求以上の悦びを与えてくれる。
「オ、レ、っも・・・」
突かれて歪む、上ずった声が嬉しかった。
「ずっと・・・こうして、よう・・・二人で」

□ 94_未練★ □
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まべちがわ

Author:まべちがわ
妄想力を高める為、日々精進。
閲覧して頂いた全ての皆様に、感謝を。

2011-3-12
東日本大震災の被害に遭われた方に
心よりお見舞いを申し上げます。
故郷の復興の為に、僅かばかりにでも
尽力出来ればと思っております。

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