Blog TOP


真偽★(9/13)

首から抜かれたネクタイが、後ろ手に組まされた手首に巻きついていく。
ソファに座る格好になった俺の前に、彼が立つ。
張りつめたモノがベルトに押さえつけられる感覚が、酷く窮屈に思えた。
下半身の疼きに、視界が歪む。
その中に映る、愉快そうに俺を見下ろす彼の顔。
こうやって、彼は、獲物を狩るのだろう。

目の前に、頭をもたげ始めた彼のモノが差し出される。
首を傾げながら発する彼の口調は、内容にそぐわない穏やかなものだった。
「君の口で、気持ち良くしてくれるかい?」
無理強いは、決してしない。
首に優しく添えられた手に促されるよう、俺の口は待ち侘びるモノを捉える。
普通じゃあり得ない状況。
それでも、これが、彼の望むこと。
若い男たちの苦しげな表情に感じた羨望を思い出す。
大きくついた溜め息が彼のモノに纏わりついた。

熱を帯びた先端に唇を付けると、彼の手が俺の頭を撫でるように動き、行為を促す。
張りを帯び、支え無しでも姿勢を保っているモノに根元まで舌を這わせると
軽い痙攣と共に、薄い吐息が降り注いで来る。
緊張からか、興奮からか、妙に口の中が乾いて、舌が軽く痛む。
それでも、裏半面を舐り尽くす頃には、先端から浸み出した汁が口の中に独特の味覚を残していた。


小さく息を吐き、モノを咥えようとした時、不意に彼の手が顎に触れた。
「少し、口が、乾いてるみたいだね」
見上げた先の彼は、俺から離れ、テーブルに置いてあったウーロン茶を一口呷る。
僅かに潤んだ視線を受け止めながら、再び戻った彼の手に持ち上げられるよう、上を向いた。
口移しで入ってきたお茶の苦みと、受け止めきれなかった液体が首元を流れて行く冷たさが
何となく、気分を落ち着かせてくれる。
「慣れない内は、結構、あるんだよ」
冷たくなった唇を触れ合わせながら、彼はそう笑う。
彼が捕らえて来た幾人もの男たち。
その中で、不埒な想いを寄せるような機会も、あったのだろうか。
独りよがりな闘争心が、絶頂を待ち侘びるモノに視線を誘導する。
「大丈夫かい?」
「・・・はい」

いきり立ったモノを口に含む。
想像以上の圧迫感が、気分を苦しくさせた。
ゆっくりと顔を動かすと、喉の奥の方まで入り込んで来る。
俺の頭を両手で支えながら自らの下半身を前後に振る彼の口から、小さな声が漏れる。
徐々に膨らんでいくモノが、身体全体を支配していくような気がして嬉しかった。

無意識の内に上半身が悶えているのだろうか。
自由を奪われた手首にネクタイが擦れて、刺すような痛みを催してくる。
「・・・みず、き」
そんな辛さも、吐息に混ざる自分の名前に掻き消されていくようだった。
下品な水音を抑える事無く、ひたすらしゃぶり、舐り、恩師の身体を頂点へを押し上げる。

程なく、頭を掴む手に力が入り、口の中からモノが引き出される。
「出す、よ」
息絶え絶えの言葉を発しながら、自らのモノを扱く彼は
呆然とする俺の顔に向かって、激情を噴き出した。
生温かい液体に汚されていく気持ちの悪い感覚が、あの時の衝撃を思い起こさせる。
目頭から鼻の脇を流れて行く精液を彼の指が掬い上げ、薄く塗り広げて行く。
「舐めてくれる?」
おぼろげに聞こえる彼の願いに、口を開けて応じる。
唇に触れた指に舌を伸ばすと、形容しがたい味が身体を痺れされた。


濡れタオルで拭われていく、彼の欲情の跡。
取り戻した視界に映る、隣に座った満足そうな彼の笑顔。
その唇の柔らかさを感じたくて、顎を突き出し、目を細める。
微笑みを湛えた傾げた顔が近づいて来て、唇が重なった。
「せん、せい・・・」
鼻と鼻が触れ合う距離で見つめ合う。
「どうしたの?」
彼の手が、乱れていないままの下半身を撫でていく。
股間を弄られ、隅に追いやられていた欲情が呼び戻される。
僅かに浮いた腰に、彼は気が付いたはずだった。
窺うような表情が、俺の口から懇願を引き出そうとしている。
「言ってごらん」
甘い吐息を漏らすことですら、恥ずかしい。
首に回された腕に引き寄せられ、身体は更に密着する。
「君が何を言っても、僕は君を軽蔑したりしないよ」
耳元で囁かれる、彼からの赦し。
下から上がって来る仄かな快感に押し出されるよう、喉を揺らした。
「僕も・・・イきたい」

□ 54_真偽★ □
■ 1 ■   ■ 2 ■   ■ 3 ■   ■ 4 ■   ■ 5 ■   ■ 6 ■   ■ 7 ■
■ 8 ■   ■ 9 ■   ■ 10 ■   ■ 11 ■   ■ 12 ■   ■ 13 ■
>>> 小説一覧 <<<

コメント

非公開コメント

ロック・オン

獲物を見つけたら、捕獲する為に狙いを定めて追い詰める、ロック・オンの狩猟本能が男性には生まれながらある気がします。なので、男は子供といえども油断大敵!

昨日は祝日だったので、駅ビルで娘の服と靴を買いに娘と2人でショッピング。中1の娘が週2回通っている数学と英語塾が一緒で、仲が良い同い年のT君とバッタリ会いました。2人はいつも一緒に塾から帰宅しますが、あまりにも帰りが遅いと心配して、夫がしばしば帰り道の様子を伺いに行っています(笑)。娘はT君に「母です。」と紹介したので、お互いに挨拶しましたが、あまりにも紅顔の美少年でビックリ!。日頃の娘の話からは、もっと平凡な容姿のサッカー少年だと思っていたのに…。嘘をついていたな(怒)!顔は娘のほうが男っぽく見える…。
実は、中学受験の為に通っていた塾のM君が娘のファーストキスの相手ですよ。小学5年生でした。当時、M君が書いた大人顔負けの達筆のラブレターを娘が見せてくれましたが、読むと、ただただ驚きの連続でしたね。
「僕は君の事が全部好きだけど、君は僕のどこが好き?」
M君も相当な美少年でした。子供のくせに、女たらしの風格がありましたよ。

及川先生、間宮を追い詰めてますが、どんでん返しがあるのかしら?

肉が嫌いな肉食獣。

オスであるが故の狩猟本能は、絶対的に否定出来ないと思います。
執着心、自尊心、どんな状況に陥っても、これを拠り所に踏ん張れる生き物。
最近すっかり定着した "草食男子"。
肉を喰らうことを嫌うように捉えられていますが、あれはただ見た目の問題で
結局のところ、選り好みの激しい我儘な坊ちゃんたち、としか私の目には映りません。
ある程度何かに執着して生きて行く方が、健全だと思うのですが。
Information

まべちがわ

Author:まべちがわ
妄想力を高める為、日々精進。
閲覧して頂いた全ての皆様に、感謝を。

2011-3-12
東日本大震災の被害に遭われた方に
心よりお見舞いを申し上げます。
故郷の復興の為に、僅かばかりにでも
尽力出来ればと思っております。

*** Link Free ***



>> 避難所@livedoor
Novels List
※★が付く小説はR18となります。

>>更新履歴・小説一覧<<

New Entries
Ranking / Link
FC2 Blog Ranking

にほんブログ村[BL・GL・TL]

駄文同盟

Open Sesame![R18]

B-LOVERs★LINK

SindBad Bookmarks[R18]

GAY ART NAVIGATION[R18]

[Special Thanks]

使える写真ギャラリーSothei

仙臺写眞館

Comments
Search
QR Code
QR