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真偽★(10/13)

身体を捩るよう、疼きに耐える姿をもっと見ていたい。
彼の首周りからネクタイを引き抜き、その手に絡みつけて行く。
自らを慰めることが無いように、そんな小さな戒め。
ソファに腰を掛ける彼の前に立つと、不安げな眼が僕を見上げていた。
何度も何度も妄想して来た感覚が、そこに纏わりつく瞬間が待ち切れない。
早くなる鼓動を抑えるように息をつき、自分のベルトに手をかける。

こんなに間近で見るのは初めてなのだろう。
訝しげな表情を浮かべる彼に、問いかけた。
「君の口で、気持ち良くしてくれるかい?」
震える頭に手を添え、首筋まで撫でて行く。
眉間に皺を寄せ、唇を噛み締める表情が目に焼き付く。
幾人もの生徒が見せた、諦めの証し。
やがて、観念したのだろうか。
大きく溜め息をついた彼は、恐る恐る、僕のモノに舌を伸ばし始めた。

生温かい刺激が、モノの先端から身体中に沁みて行く。
今まで感じて来た快感とは、全く違う何か。
ぎこちない彼の振る舞い全てが、愛おしい。
例え、彼の気持ちが僕に向いていないとしても、堪らなく幸せだった。

いきり立ったモノに、舌が静かに這う。
根元の辺りから舐り上げられる度に、腰が振れ、吐息が漏れる。
不意に交差した視線は、事前とは明らかに変わっていて
まるで、僕を試しているような雰囲気が気持ちを惑わせる。


辛そうな溜め息が、興奮を少し鎮めて行く。
潤いを感じなくなったのは、気のせいじゃなかったんだろう。
口を開け、モノを含もうとしている彼の顔に手を寄せ、行為を止める。
「少し、口が、乾いてるみたいだね」
テーブルの上に置いてあったウーロン茶のペットボトルを呷り、口移しで彼に飲ませる。
溢れた液体が首筋を流れて行くのをそのままに、彼は虚ろな目で僕を見た。
「慣れない内は、結構、あるんだよ」
呼吸の仕方が分からず、混乱するのだろうか。
緊張で唾液が出なくなるのだろうか。
行為の際に彼らの口が渇くことは、珍しいことでは無かった。
冷えた唇を重ね合わせ、その意思を確かめる。
彼の視線の気配に、安堵の気持ちが芽生えた。
「大丈夫かい?」
「・・・はい」

彼の口に、モノが沈んでいく。
吸い付くような咥内の感触が、下半身を痺れさせる。
ゆっくりと動く彼の頭に合わせて、徐々に腰の動きを早めていくと
苦しげで規則的な呻き声が響いて来た。
絶頂へと押し上げられる心と身体は、既に彼の手に落ちていたのかも知れない。
「・・・みず、き」
抑えられない息遣いの中で、縋るように彼の名を呼ぶ。
更に快感を求める気持ちと、早く達したい身体が剥離していく辛さが、頭の中を白くする。

限界寸前のモノを、彼の口から抜き出す。
「出す、よ」
最後の一押しを自らの手で成し遂げ、発射された精液は
荒い息を吐き出しながら唇を震わせる彼の顔を、白く汚した。
目を閉じた険しい顔に、指で液体を塗り広げて行く。
小さな画面に映し出されていた光景からは感じられなかった、臭いや感触。
うなだれる彼の唇を指で撫で、呟いた。
「舐めてくれる?」
僅かに空いた口から舌が覗き、指先を突くように動く。
拭い取られた精液が、彼の体内に吸収されていく。
そう思うと、得も言われぬ満足感が溢れた。


自らの浅ましい欲望を、タオルで拭き取って行く。
少し乱れがちな上気した彼の顔には、初めて見るような表情が浮かんでいた。
それは、あり得ない行為を強要された男が見せる顔では無かったと思う。
ふと目を細めた彼は、僕に向かって顎を突き出す。
好意のベクトルが、向きを変えたのだろうか。
期待と不安が入り混じる中、彼と唇を重ね合わせた。

鼻先をつき合わせながら、彼はねだる様な口調で呟く。
「せん、せい・・・」
「どうしたの?」
隣に座る彼の身体に視線を滑らせる。
昂揚しているであろう上半身が揺れ、スラックスの中に耐えきれないモノが隠れていた。
太腿を撫でながら、股間まで手を伸ばす。
軽く撫で上げると、深い息と共に彼の腰が浮いてきた。
悶えるような表情で、その意図は明白だった。
「言ってごらん」
その口から、僕を求める言葉が聞きたい。
腕を回し、身体を引き寄せる。
「君が何を言っても、僕は君を軽蔑したりしないよ」
言葉を引き摺り出すように、ベルトで堰き止められている先端部分を、捻るように摘み上げる。
息絶え絶えの声が、耳をくすぐった。
「僕も・・・イきたい」

□ 54_真偽★ □
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百獣の王

口移しで液体を飲ませるという行為は、何故、こんなにも官能的なんでしょうね…。

「百獣の王」と呼ばれる、タテガミの立派な雄ライオン!
猫科の動物らしく雄が少なく雌が多いので、ハーレムを形成しています。
狩猟はメス達の連携プレー。捕獲した餌を食べる段になって、それまで寝転がっていた雄がやおらやって来て、最初に一番美味い場所から悠々と食べます。その間、雌や子供達はお預け。
女を働かせて暮らす典型的なヒモ男だわ(笑)。
でも、日頃はぐうたらなライオンの雄ですが、群れに別の雄や他の動物が接近すると、豹変して威嚇します。
やっぱり、「百獣の王」なんですね!

男性と長く一緒に暮らそうと思えば、それなりに賢く対応しなけりゃ駄目ですね。
夫に立ち会い出産をさせた夫婦は、離婚やセックスレスが多いらしい。いつまでも、性的対象として見てもらう為には、頭を使わなくてはね。いくら流行っていても、自分の頭で考えて判断する必要があります。
だから、私は夫を立ち会いさせませんでした。

男性はよく何もかも晒して見せて欲しいと言いますが、どこか秘密がある神秘的な部分まで無くしては飽きられます。
男性の言い分を真に受けたら、自分が馬鹿を見ます。勿論、いつまでもマグロは問題外(笑)。綺麗で神秘的なのに、意外と親しみ安く冗談を飛ばすので可愛く思わせ、尚且つ床上手。コレですよ!
「女神様みたいだ…。」
と言わせたら、こっちのもの(笑)。

秘密の引き出し。

相手のことがもっと知りたい。
そんな想いが興味や好意を増長させていくのだと思いますが
その欲求が満たされる毎に、情熱は薄れて行ってしまうのでしょうか。
誰しも多くの秘密を抱えているのでしょうが
どうやら、その引き出しを一気に開けてしまう性質のようで
あまり情熱を向けられることが無いのが、残念です。

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不本意な点もあると思いますが、何卒上記の点をご理解頂ければと思います。
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まべちがわ

Author:まべちがわ
妄想力を高める為、日々精進。
閲覧して頂いた全ての皆様に、感謝を。

2011-3-12
東日本大震災の被害に遭われた方に
心よりお見舞いを申し上げます。
故郷の復興の為に、僅かばかりにでも
尽力出来ればと思っております。

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