玩弄★(5/9)
「お前・・・ふざけんなよ」
身を屈め、彼の襟元を掴んで上半身を起こさせる。
半開きの口からは、不快な臭いが漂ってきた。
「何だ?俺は、海老名の、代わりか?」
「そういう、意味じゃ」
苦しげに言葉を発する目が、真っ直ぐに俺を見る。
「何が違うんだよ?なら、奴のもん、咥えてりゃいいだろ?」
軽く左右に振れる頭に、心が掻き乱された。
「・・・嫌われたく、ない」
その一言が、俺と同期の差を、目の前に突き付ける。
僅かに震える身体を、廊下の床に押し倒す。
馬乗りになった状態で、感情のやり場を探していた。
「俺には嫌われても、良いって?」
「オレのこと、嫌い、ですか?」
負けている、俺は、こいつにも。
無駄な抵抗を、するしかなかった。
「・・・ああ、嫌いだよ。反吐が出るほど、嫌いだ」
俺の言葉に切なげな表情を浮かべる理由は、何処にあったのだろう。
「それでも、良い」
「は?」
「稲富さんには、嫌われても良い。でも、繋がってたい」
混乱の中で揺さぶられていく感情。
縋ろうとする自分が、情けない。
後手に、彼の身体を弄る。
太腿から股間へ伸ばす手に、燻ぶりを見せる興奮が感じられた。
「俺のチンポしゃぶって、ムラムラしたいって、だけか」
スラックスの上からモノを掴み上げると、後輩の顔が痛みに歪む。
「他、当たれよ。そういうとこ、あるんだろ?ホモ同士が掘り合うような、さ」
こいつは、俺の気持ちに、感づいているのかも知れない。
俺がこいつを嫌いになれないことを、分かっているのかも知れない。
「稲富さんじゃなきゃ・・・嫌なんです」
ファスナーを下ろし、服の中に手を挿し入れる。
男のモノの感触が、指先に直接的な嫌悪感と、妙な興奮を与えてきた。
揺らぐ吐息が耳をくすぐる。
彼の頭を掴み、真っ直ぐにその視線を受け止める。
「・・・わっけわかんねぇ」
徐々に膨らみを増していく性器を擦りながら、俺は自分の立場を主張した。
「心は、あいつにくれてやる。でも・・・お前の身体は、渡さない」
彼の手を引き、身体を起こさせる。
狭い洗面所に押し込み、鏡に向かって立たせた。
カウンターに手をついた彼の上半身と、その肩口から覗く俺の顔が映り込む。
「お前がどんな顔してイくのか、教えてやるよ」
鏡の中の俺を見る彼の視線は、震えていた。
下半身に手を伸ばし、待ち侘びる部分をスラックスから引き出す。
「抜いて、欲しいんだろ?」
「・・・はい」
先端に滲み出る液体と纏わりつく陰毛が絡みつき、手に妙な感触を残す。
喉を締め付けるような息が吐き出され、消えていく。
顎に手を添えて上向かせると、苦しげな声が漏れてくる。
唇をなぞりながら口の中へ差し込んだ指先に、熱を帯びた舌がくすぐったい感触を走らせた。
「あ・・・っぐ」
舌の付け根辺りを押さえつけながら、モノを扱く動きを早める内に
喘ぎが耳を刺激し、唾液が指を伝う不快感すらも愉しげに思えてきた。
「すっげ、ベッタベタ」
首筋に舌を伸ばし、耳元で意地悪く囁くと、彼の肩が悶えるように強張る。
「もうイきそうなのか?早ぇな」
「う、あ・・・」
快楽に押し潰されそうな男の身体は、俺の胸の中に徐々に沈み込む。
子供の頃、欲しかった玩具を買って貰った時の様な高揚感が湧いてくる。
その肩の向こうに見えた物に、不意に嗜虐性が煽られた。
硬くなったモノから手を離すと、彼は戸惑いの表情と共に顔を上げる。
「下、脱いで、風呂入れ」
腕を伸ばし手に取ったスプレー缶で、俺が何をしようとしているのか、悟ったのだろう。
「良いだろ?どーせ、誰に見せるもんじゃねぇんだから」
下半身だけを露わにした後輩は、俺の様子を窺いながらユニットバスへ足を踏み入れる。
バスタブの縁に座らせ、その前に跪く。
屹立したモノは張りを失うことなく天を向き、根元の陰毛が濡れて絡み合っている。
スプレーを数回軽く振って、その部分へ噴射すると、あっという間に股間が泡に包まれる。
見上げた彼の顔には、明らかな憂い。
けれど、その口から、何も言葉は出てこなかった。
剃刀を当てて滑らせると、経験の無い感触が泡と共に流れ、周りより若干白みがかった肌が見えてくる。
髭とは違う、長く縮れた毛が、一舐め毎に剃刀に纏わりついた。
シャワーの水流と共に現れる、違和感のある姿。
筋の浮いた性器が、やたらと卑猥に見えた。
「海老名には、見せらんねぇな」
所々に剃り残しはあるけれど、遮る物が無くなった股間に指を滑らせながら呟く。
横目で俺を見る彼は、一瞬目を伏せることで答えを返した。
□ 68_玩弄★ □
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■ 8 ■ ■ 9 ■
□ 74_挑発★ □
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身を屈め、彼の襟元を掴んで上半身を起こさせる。
半開きの口からは、不快な臭いが漂ってきた。
「何だ?俺は、海老名の、代わりか?」
「そういう、意味じゃ」
苦しげに言葉を発する目が、真っ直ぐに俺を見る。
「何が違うんだよ?なら、奴のもん、咥えてりゃいいだろ?」
軽く左右に振れる頭に、心が掻き乱された。
「・・・嫌われたく、ない」
その一言が、俺と同期の差を、目の前に突き付ける。
僅かに震える身体を、廊下の床に押し倒す。
馬乗りになった状態で、感情のやり場を探していた。
「俺には嫌われても、良いって?」
「オレのこと、嫌い、ですか?」
負けている、俺は、こいつにも。
無駄な抵抗を、するしかなかった。
「・・・ああ、嫌いだよ。反吐が出るほど、嫌いだ」
俺の言葉に切なげな表情を浮かべる理由は、何処にあったのだろう。
「それでも、良い」
「は?」
「稲富さんには、嫌われても良い。でも、繋がってたい」
混乱の中で揺さぶられていく感情。
縋ろうとする自分が、情けない。
後手に、彼の身体を弄る。
太腿から股間へ伸ばす手に、燻ぶりを見せる興奮が感じられた。
「俺のチンポしゃぶって、ムラムラしたいって、だけか」
スラックスの上からモノを掴み上げると、後輩の顔が痛みに歪む。
「他、当たれよ。そういうとこ、あるんだろ?ホモ同士が掘り合うような、さ」
こいつは、俺の気持ちに、感づいているのかも知れない。
俺がこいつを嫌いになれないことを、分かっているのかも知れない。
「稲富さんじゃなきゃ・・・嫌なんです」
ファスナーを下ろし、服の中に手を挿し入れる。
男のモノの感触が、指先に直接的な嫌悪感と、妙な興奮を与えてきた。
揺らぐ吐息が耳をくすぐる。
彼の頭を掴み、真っ直ぐにその視線を受け止める。
「・・・わっけわかんねぇ」
徐々に膨らみを増していく性器を擦りながら、俺は自分の立場を主張した。
「心は、あいつにくれてやる。でも・・・お前の身体は、渡さない」
彼の手を引き、身体を起こさせる。
狭い洗面所に押し込み、鏡に向かって立たせた。
カウンターに手をついた彼の上半身と、その肩口から覗く俺の顔が映り込む。
「お前がどんな顔してイくのか、教えてやるよ」
鏡の中の俺を見る彼の視線は、震えていた。
下半身に手を伸ばし、待ち侘びる部分をスラックスから引き出す。
「抜いて、欲しいんだろ?」
「・・・はい」
先端に滲み出る液体と纏わりつく陰毛が絡みつき、手に妙な感触を残す。
喉を締め付けるような息が吐き出され、消えていく。
顎に手を添えて上向かせると、苦しげな声が漏れてくる。
唇をなぞりながら口の中へ差し込んだ指先に、熱を帯びた舌がくすぐったい感触を走らせた。
「あ・・・っぐ」
舌の付け根辺りを押さえつけながら、モノを扱く動きを早める内に
喘ぎが耳を刺激し、唾液が指を伝う不快感すらも愉しげに思えてきた。
「すっげ、ベッタベタ」
首筋に舌を伸ばし、耳元で意地悪く囁くと、彼の肩が悶えるように強張る。
「もうイきそうなのか?早ぇな」
「う、あ・・・」
快楽に押し潰されそうな男の身体は、俺の胸の中に徐々に沈み込む。
子供の頃、欲しかった玩具を買って貰った時の様な高揚感が湧いてくる。
その肩の向こうに見えた物に、不意に嗜虐性が煽られた。
硬くなったモノから手を離すと、彼は戸惑いの表情と共に顔を上げる。
「下、脱いで、風呂入れ」
腕を伸ばし手に取ったスプレー缶で、俺が何をしようとしているのか、悟ったのだろう。
「良いだろ?どーせ、誰に見せるもんじゃねぇんだから」
下半身だけを露わにした後輩は、俺の様子を窺いながらユニットバスへ足を踏み入れる。
バスタブの縁に座らせ、その前に跪く。
屹立したモノは張りを失うことなく天を向き、根元の陰毛が濡れて絡み合っている。
スプレーを数回軽く振って、その部分へ噴射すると、あっという間に股間が泡に包まれる。
見上げた彼の顔には、明らかな憂い。
けれど、その口から、何も言葉は出てこなかった。
剃刀を当てて滑らせると、経験の無い感触が泡と共に流れ、周りより若干白みがかった肌が見えてくる。
髭とは違う、長く縮れた毛が、一舐め毎に剃刀に纏わりついた。
シャワーの水流と共に現れる、違和感のある姿。
筋の浮いた性器が、やたらと卑猥に見えた。
「海老名には、見せらんねぇな」
所々に剃り残しはあるけれど、遮る物が無くなった股間に指を滑らせながら呟く。
横目で俺を見る彼は、一瞬目を伏せることで答えを返した。
□ 68_玩弄★ □
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