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代償★(2/8)

「ダメだよ、そんなとこ、触っちゃ・・・何か、変な感じが、するよ」
「そう?どんな感じなのか、言えるかい?」
「よく、わかんない。・・・くすぐ、ったい、みたいな」
「・・・嫌?」
「や、だ・・・やめて、おじさん」
「ホントに、嫌なの?やめちゃおうか?」
「・・・やだ・・・ううん・・・やじゃ、ない」


父ほどの歳の男は、待ち合わせ場所に現れた俺を見て訝しげな表情を浮かべる。
「君・・・まだ、高校生・・・?」
制服さえ着ていなかったけれど、元から童顔の俺は一目でそれだと分かっただろう。
携帯サイトの掲示板には、当然のように誤魔化した歳で登録していたから
彼が驚くのも無理はなかった。
「良いの?オレみたいなオジサンで」
「・・・はい」
初めてになるであろう男は、俺の顔をしばらく眺めた後、言った。
「そう。じゃあ・・・楽しもうね」
見も知らぬ男に、性的欲求の相手として見られる瞬間。
自分で望んだはずなのに、恐怖と緊張で身体が強張った。

あの頃から、自分と同年代の男には全く興味が無かった。
一目惚れするにしても、父や叔父に相当する年齢の男ばかりだった。
無意識の内に、幼い時に満たされなかったものを欲していたのだろうか。


高校生の俺を連れて、何処にも行き様が無かった彼は、自らの車をその場所に選んだ。
震える俺の手をヘッドレストに固定し、アイマスクで視界を奪う。
「大丈夫、怖がらなくて良いよ」
優しく囁きながら、彼の手が頬を撫でる。
震えで半開きになった俺の唇に、彼の唇が重なった。
想像以上に柔らかい感触。
その唇は、しばらく留まった後、頬を辿り耳へ滑る。
耳たぶを軽く噛みながら、手は首筋を撫でていく。
くすぐったくてもどかしい感覚が、背徳感の中で、快感に変換されていった。

乾いた手がシャツの中に入り込んでくる。
違和感に思わず声が漏れた。
二本の腕に挟まれるよう、背中と胸を柔らかくまさぐられる。
「怖い、かな?」
「・・・は、い」
「素直に、感じて良いんだよ」
僅かに興奮が感じられる声が耳を刺激した。
指が乳首を撫でる。
自分の息遣いが車の中に充満するのを感じ、身体が更に熱くなる。

徐々に上半身が浮いてくる。
彼の手は、ジーパンの上から腰や太ももの辺りを動き、やがて股間を捕らえた。
経験の無い刺激を受けた身体は、既に反応を見せていて
それを知られるのが怖かった俺は、つい戸惑いの言葉を投げかけてしまう。
「ちょ、っと・・・待って」
まるで俺の言葉が聞こえなかったかのように、彼はその手の動きを止めない。
モノを根元から撫でる感覚が、腰を浮かせる。
「やっぱ・・・無理・・・」
背筋を強張らせる刺激を受けながら息絶え絶えに懇願すると、彼の唇が声を遮る。
唇が僅かに触れる距離で、彼は俺に問いかけた。
「ここで、止める?」
ファスナーが下ろされ、開いた部分から手が入り込む。
トランクスの上から先端をこする様に撫でられる。
「や、め・・・」
「・・・聞き分けの、無い子だ」
凄みの混ざるその声に、急に後悔が襲う。
自分が晒されるであろう想像もつかない快感に、脅えていた。

ベルトが外され、ジーパンの前が開く。
外に出されたモノを、彼の手が緩やかに撫でる。
「若いと、勃ちが早いね」
恥ずかしさを煽るような口調で、彼は言葉を投げた。
「こんなにピクピクさせて・・・でも、嫌なら、しょうがないな」
そう言って、彼はモノから手を離し、シャツをたくし上げて行く。
露わになった上半身に、彼の舌が静かに這う。
生暖かい感触が上がってきて、身を捩る。
拍子に拘束された手首に痛みが走り、逃げ道が無いことを知らしめられた。

背中に回された彼の手に力が入り、胸を突き出すような格好になる。
舌が敏感な突起を捉え、舐り上げる。
押し殺した喘ぎが車内に響いた。
もう片方を指で軽く挟みながら、彼は愉快そうに鼻で笑う。
「敏感だね」
「も・・・たす、けて・・・」
快感が脅威に変わっていく。
この刺激をどう受け止めて良いのか、分からなかった。
「助けを呼んだって、誰も来ないよ?」
彼の指の動きは段々と激しさを増す。
首を振りながら、やり場の無い憤りに耐えた。
「言っただろ?素直に、感じてごらん」
両方の乳首が指で弄られ、摘み上げられる。
声を抑え過ぎた喉の痛みは、大きな波に飲み込まれていった。

□ 28_代償★ □   
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□ 51_受容 □
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まべちがわ

Author:まべちがわ
妄想力を高める為、日々精進。
閲覧して頂いた全ての皆様に、感謝を。

2011-3-12
東日本大震災の被害に遭われた方に
心よりお見舞いを申し上げます。
故郷の復興の為に、僅かばかりにでも
尽力出来ればと思っております。

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