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幻想★(8/10)

欲しいものは、それなりに手に入れてきたはずだ。
学歴、名の通った就職先、平均よりも頭一つ出た給料。
会社での人間関係も悪くなく、仕事も充実していると思う。
こんなことで何かを埋めようとしているのなら、一体、俺には何が足りなかったのか。

全裸にされた身体の両手足が鎖で繋がれる。
口には堅い感触の球体が押し込められ、息を吐くと壊れた笛のような音を立てる。
「エリート面してたって、所詮、俺らと同じなんだよ」
腰回りに垂らされた液体が割れ目に沿って流れ、誰かの手によって塗り込められた。
気配に怯える間もなく、その指が穴を侵す。
「頂点まで行きゃあ、後は堕ちるだけなんだから」
息苦しさが呻き声に変わり、指の動きに呼応するように笛が鳴る。
指の替わりに入り込んでくる異物に背筋を強張らせながら、仕打ちに耐えた。
やがて穴は何かで蓋をされ、太腿の辺りを毛の束がくすぐるように揺れる。
「望み通り、引き摺り落としてやるよ」


鎖を引かれ、背中が弓形に反る。
不意に襲う、激しい熱さと痛み。
空気に触れ、じわじわと硬化していく間もなく、次の滴が落とされる。
「んっ、う」
避けることも出来ず、降り続く突き刺さるような刺激に掻き乱される感情は、何と形容して良いのか。
斑に渦巻くような意識は、まともに機能しそうもない。
跳ねる身体で鎖が鳴る度に、俺の背中は赤く染まっていくのだろう。
肌が赤い鱗で埋め尽くされた姿、啼きながら、その光景を想像すると
何かが、満たされるようだった。

「思った以上の変態だぞ」
耳元で発せられた声と共に訪れる、明確な快感。
わざと意識を背けていた器官を、男の手がゆっくりと扱き始める。
「ロウソク垂らされて、こんなおっ勃たてる奴、初めてじゃね?」
「鞭が好きって奴はいたけどな」
「そんなにロウソク好きか?ん?」
先端を撫でられ、自分がどんなに昂ぶっているのかを知らしめられた。
腰が浮き、喉が鳴る。
辛苦の先に辿り着いたご褒美に、身を委ねていたかった。
「こんなすぐ発情する犬には、お仕置きが必要だろ」
嘲笑うように吐き捨てながら、男は、その手を放す。


目隠しを外されても、すぐに視力は戻ってこない。
それほど明るくない部屋にもかかわらず、やけに眩しく感じて目を細める。
目の前に立っている男は2人。
あの男は、いなかった。
壁に設えた鉄パイプの柵に括り付けられた手枷が軽い金属音を立てた。
大股開きにさせられた脚は、同じように柵に括られ、閉じることも出来ない。
視線を落とすと、目に入ったのは、いきり立った自分のモノと尻尾のような毛の塊だった。

しゃがみこんだ一人の男が手に持っているのは、細い金属の棒。
釘のような尖った先端を一舐めし、俺の目の前に突き付ける。
「何だか分かるか?」
自由になった口から、言葉は出なかった。
何をするものなのか、俺にどんな苦痛を与えるものなのか、想像もつかなかった。
「お前みたいなマゾ野郎には、ぴったりなアクセだよ」
歪んだ口元につけられたピアスが、その動きに合わせて不気味に光る。

濡れそぼった先端に添えられた金属棒は、そのまま狭い穴へと侵入してくる。
奥歯を噛み締め、酷い異物感に抵抗する。
委縮しようとする身体は背後の壁と拘束具によって、目論見を外され
未体験の感覚が、下半身から全身に広がっていくようだった。

物体を飲み込んだモノは、それでも、興奮冷めやらない。
先端から顔を出す小さな穴が開いた菱形の金属片が、我慢汁であっという間に照りを帯びていく。
「幸せな奴だな」
ピアスの男はそう言って俺のモノを指で弾いた。
「何されても感じやがって」
尿道にまで異物を入れられ、尚、快楽を求める自分。
あらゆる刺激が性感になる、その事実が、ますます身体をおかしくする。

「っ・・・あ」
細い棒の振動に重なるよう、アナルに入れられた玩具も震え始める。
前屈みになろうとする上半身を、傍らの男の足が阻む。
蔑むような彼の視線を受け止めた。
堕ちても良い、堕ちて行きたい。
これで、俺は満たされる。
喉を割るような声と共に、精液が床に飛び散っていった。


二人の男のモノを、交互に口に含む。
「おら、根元まで咥えろ」
乳首に付けられたチェーンクリップに呼ばれるよう、身体を捻り、太いモノを求めた。
尻尾が取り除かれた穴には、太めのバイブレーターが刺さり
金属棒は、萎れた竿の中に残ったまま。
腰が跳ねるのを我慢しながら、満たされないままの性欲を舐ることで紛らわせる。
「玉、パンパンじゃねぇか。ん?出したいのか」
紐で根元を縛られた睾丸は、痛々しいまでに腫れ上がっていた。

一人の男に頭を掴まれる。
「代わりに、ミルクでもくれてやるよ」
喉の入り口を突き上げる程の動きに、瞬間、呼吸が出来なくなった。
勢いよく引っ張られるクリップが、上半身に痛みを快感を与えてくる。
裏返った喘ぎ声が降り、やがて、男の精液が口の中を満たした。
気道を塞ぐ粘液を、必死の思いで飲み込む。
抜き取られていくモノをぼんやり見ていた俺の身体を、背後の男が呼んだ。
「ほら、おかわりだぞ?」

□ 70_幻想★ □
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まべちがわ

Author:まべちがわ
妄想力を高める為、日々精進。
閲覧して頂いた全ての皆様に、感謝を。

2011-3-12
東日本大震災の被害に遭われた方に
心よりお見舞いを申し上げます。
故郷の復興の為に、僅かばかりにでも
尽力出来ればと思っております。

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