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偽名★(9/10)

女を知っている俺と、女を知らない彼。
セックスに対する意識も、多分、根本的に違うんだと思う。
俺が子供の頃に味わった惨めな気持ちは、常に女に主導権を握られていたから芽生えたもので
それはつまり、行為においては男が上であるべきだと言う、つまらない本能の末なんだろう。
じゃあ、男同士ならどうなのか。
あの時感じた居た堪れなさを、今感じていないのは
彼に服従することを是とする、裏腹な感情故なのだろうか。


同時に摘まれた二つの乳首から、痛みと快感が全身に伝わっていく。
アナルに与えられている刺激と相まって、増幅し、頭の中を掻き乱す。
「・・・っは」
乾いた声と共に、視界が僅かに潤んだ。
満足そうな鼻息が耳を掠め、指に力が入る。
更なる加虐を求める様に上半身が反り返り、鎖骨から首にかけての筋肉が盛り上がるのが見えた。
「こんなに硬くして・・・下も、ピクピクしてる」
突起を摘まれ、引っ張られ、捻り上げられる度に、完全に勃起したモノが小さく首を振る。
「もっとして、って、言ってるのかな?」
肯定も否定も出来ないまま、身体は彼の意のままに快楽に堕ちていく。

薄布を握り締める一方の手を、彼の手が包む。
ゆっくりと促されたのは、欲望を露わにした場所。
「ほら、こんなところまで」
モノの根元から足の付け根の方まで濡れた感触が、指を通して伝わってくる。
「我慢できない?」
「そ・・・こ」
「まだだよ」
俺の指は、彼の手に支えられ、一回だけ、垂れ流される汁を掬い取る様にモノを擦り上げる。
「う、あ・・・」
「凄く、敏感になってるね」
名残惜しさを引き摺りながら、その手は腰の後ろに回され、尻の奥へと導かれた。
「な、に・・・?」
「指、入れてみて」

自らの足で、傍に置かれていたスツールを引き寄せる彼。
その座面に、片足を乗せた。
既に玩具で占領されている穴は、固く閉ざされている。
自らの汁と汗とを潤滑油として、ゆっくりと解していく。
微かな振動が指先から伝わり、言いようのない恐怖が腕を強張らせた。
「大丈夫。力、抜いて」
指先が、めり込む様に体内に入り込む。
背徳感が、熱い肉壁の感触に侵食される。
「うっ・・・く」
第一関節まで入れることなく、爪先に当たった無慈悲な物体。
「奥まで、押し込んでごらん」
鏡の向こうの戸惑いに、彼は気が付いたのだろう。
俺の手に指を滑らせ、その指を、そのまま穴に差し込んだ。
痛みと息苦しさが、顎を天に向けさせる。
「は、あっ」
歯が噛み合わない程の違和感が喉を鳴らした。
「・・・すごく、熱くなってる。ジュンの中」
興奮した彼の声が、耳を刺激する。
蠢く玩具を押しのけるように、二本の指を絡め合う。
頬に触れた唇に呼ばれ、唇を重ね合う。
全てを吸収する身体は、ただひたすら、享楽に溺れていった。


こんな風になるまで、自分の身体を焦燥感で満たしたことは無い。
垂れていく液体を太腿にまで感じられるようになる頃、彼は布を掴む俺の手を取った。
「僕が持ってて、あげるから・・・自分で、して見せて」
半ば朦朧としながら、自らのアナルを掻き混ぜ続ける俺に、そう告げる。
「や、だ・・・」
「どうして?」
「・・・ゆき、のりの・・・手で、イき、たい」
その言葉で、彼の身体はどんな変化をもたらしたのか。
うなじをくすぐる吐息は、俄かに熱を帯びたようだった。
「我が儘だね」
「おね、がい・・・」

舌が首筋を這い、指が乳首を抓る。
粘液を纏いながら、彼の手が静かにモノを擦る。
身体中の力が抜けそうになるのを、必死で耐えた。
「うあぁ・・・」
開放感を求めてほとばしる衝動が、脳天まで駆けていく。
「いっぱい責められて、おかしくなりそう?」
「な・・・る」
「何処が、一番気持ち良いの?」
「そ、こ・・・」
「そこじゃ、分からないよ?」
意地悪な声が羞恥心を煽る。
「ジュンの口から、聞きたいな」
「あ・・・ち、んぽ・・・いぃ」

彼の手に力が籠められる。
「・・・っう、やっ」
「嫌じゃ、ないでしょ」
寸でのところで留まっていた絶頂が、まさに、襲い掛かってくるようだった。
「ちゃんと、見てて。淫らな、自分の、姿」
挿し込まれた指を圧迫する肉壁のうねりが激しくなる。
閉じることを妨げるよう、半開きの口を荒い吐息が占領する。
イきたい、だけど、この混乱をもっと愉しみたい。
扱き上げる手の動きに合わせて揺れる腰に、彼の興奮が当たる。
「もっと、腰、振って」
纏わりつくように揺れる布の感触は、もう感じられなかった。
「っ・・・イ、く」
一瞬白くなった視界に自らの精液が飛び散る様が映り、俺の身体はやっと解放された。

□ 64_偽名★ □
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まべちがわ

Author:まべちがわ
妄想力を高める為、日々精進。
閲覧して頂いた全ての皆様に、感謝を。

2011-3-12
東日本大震災の被害に遭われた方に
心よりお見舞いを申し上げます。
故郷の復興の為に、僅かばかりにでも
尽力出来ればと思っております。

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