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支配★(5/5)

二度目の絶頂の後、望月は俺の顎を掴み、キスをしてきた。
唇が触れた後、口の中に舌が入ってくる。
抵抗する気力も無く、しばらくは、されるがままだった。
やがて俺はその意図を汲み、舌を絡め合う。

「そろそろ、僕も気持ち良くして下さいよ」
すぐ後ろに立つ望月のモノが、俺の腰の辺りに当たる。
それは、無理だ。
嫌悪と恐怖で、失いかけた理性が戻る。
「そんな怖い顔、しないで下さい」
いやらしい笑みを浮かべ、望月は再びリモコンを操作する。
思わず、腰が引ける。
「そこはこれで良さそうですから。口で、お願いしますね」

望月の前に、跪く。
手錠と足かせは外された。
見上げると、勝ち誇った表情が目に入る。
背後になった "彼" の手が、肩にかかった。
「オレのも、お願いしますよ。手でいいですから」
子供のようなトーンの高い声は、否が応にも若さを感じさせる。
それが俺の屈辱感を増幅させた。

「ああ、あと」
彼は、俺の腰を撫でるとそのまま手を下に伸ばし、異物をもう一つ入れてきた。
上ずった声が出る。
「ローション無くても入っちゃいますね」
無邪気にも思える彼の声が、耳元で響く。

口には望月のモノを含み、手では彼のモノを扱く。
中に入れられたローターは、二人がそれぞれ持つリモコンによって
互い違いの刺激を加え続けて来る。
堪らず動きを止めると、言葉で嘲弄される。
もう、状況を言い訳にすることは出来なかった。

その時間は、それほど長くは無かったと思う。
先に彼が達し、望月が続く。
二人の精液を顔に浴び、気持ちの悪い感触を味合わされる。
目や鼻、口の中にも入り、酷く不味いものが、喉の奥まで刺激してきた。
顔を伏せて咽る俺の顔を、しゃがみ込んだ望月が覗き込む。
「お疲れ様でした、係長」
表情は、それまでと変わらない、嘲り笑うようなものだったのに
俺の中では、何故だか優しいものに感じられていた。
何かに救いを求めたい一心だったのかも知れない。


「じゃ、オレ、彼氏と約束あるんで」
俺たちを見下ろしながら、身支度を整えつつ、彼は言った。
望月は立ち上がると、ごく自然にキスをする。
「また、連絡するよ。彼氏によろしく」
彼は乾いた笑顔で、俺に笑いかける。
「楽しかったですよ、係長」

絶え間なく続く振動で、腰に力が入らなかった。
望月は再び屈み込み、俺と視線を合わせる。
「僕らは、もう少し楽しみましょうか」
そう言って、俺のモノを軽く撫でる。
震えが来るほどの快感。
散々与えられたアナルへの刺激が、一所に集中して反応してしまっていた。
「まだイっちゃダメですよ。僕が良いって言うまで、我慢してくださいね」

目の前の木に、掴まり立ちの格好になる。
後から望月が抱きしめるように、体中を優しく触ってくる。
「ここも、感じるでしょう?」
首筋から鎖骨を辿り、乳首を弄ぶ。
声が出るのを抑えられない。
俺の反応を確かめるように、指で転がし、摘んでくる。
絶頂に達しそうになるのを、必死で我慢するしかなかった。

手が下に伸びてくる。
しかし、それは求めている場所ではなく、その周辺を動く。
「桜井さん」
焦燥感が募る。
「僕のものになってくれますね?」
一度拒絶した問いを、再度投げかけられる。
「そしたら、もっと、おかしくなるまで気持ち良くしてあげますよ」
焦らされる身体に刺激され、何かが、弾けた。
俺は力なく、首を縦に振る。

ふっ、と笑うのが聞こえた。
「嬉しいです」
手は俺のモノを捕らえ、激しく扱かれる。
「・・・どうぞ」
部下の許可を得る、そんな惨めな感情はどうでも良かった。
快楽に全てを任せ、俺は果てた。


俺の中から抜かれたローターは、草むらの中へ放り投げられた。
手錠や足かせは、望月のカバンに納まる。
俺は、公園の水飲み場で頭から水を被り、全てを洗い流す。
酔いが覚めるように、気持ちは落ち着いて来たのに、身体の熱は収まらない。

不自然に皺がよってしまったスーツ。
顎や下半身の、初めて感じる痛み。
この出来事が夢じゃないことを実感させられる。
側に立っている望月に視線を移すと、彼はまっすぐに俺を見ていた。

望月は俺の腕を取り、抱きすくめ、キスをしてきた。
こいつは俺に何を求めている?
俺はこれから、こいつとどうなって行くんだ?
答えは分からない。
けれど、少なくとも、今の俺は快楽に支配されているだけ、それは明白だった。

□ 06_支配★ □   
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まべちがわ

Author:まべちがわ
妄想力を高める為、日々精進。
閲覧して頂いた全ての皆様に、感謝を。

2011-3-12
東日本大震災の被害に遭われた方に
心よりお見舞いを申し上げます。
故郷の復興の為に、僅かばかりにでも
尽力出来ればと思っております。

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