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成就★(13/13)

俺の被虐心、彼の加虐心。
信じられないくらい、その二つはピッタリ嵌っていた。
山崎課長から向けられた、一方的な支配欲とは違う。
上司と部下と言う関係だからこその、信頼の上に成り立つもの。
そう信じたかった。

鏡に映る自分を見ながら、鏡越しに彼に見つめられながら
俺は、自分の乳首を摘み上げる。
深い吐息が漏れる。
「そうすると、気持ち良いのか?」
快感に苛まれながら、頷く。
彼の手は、限界寸前のモノに触れ、先端から根元に向けて摩る。
逆の手が、足の付け根から尻の方へ伸びていく。
割れ目に沿って指を這わせ、やがて穴を捉えた。
「どうする?」
欲情を隠し切れない声が、耳元で響く。
「い・・・れて、下さい」
「何を、何処に?」
「指・・・穴に」
「変態だな」
言葉にショックを受ける間もなく、ゴツゴツした中指が、肛門の中に挿入される。
声にならない声が、出た。
腹の方へ指が摩り上げられると、初めての快感が襲う。
「だ、め・・・」
「ダメじゃねぇよ」
モノへの刺激以外で絶頂に達することへの恐怖があったのかも知れない。
「もっと、おかしくなれ」
理性が、壊されていく。

モノを扱く手は、優しい動きだった。
アナルを刺激する指は、それに反して激しく動き、どんどん俺を追い詰める。
「もう・・・出る」
赦しの言葉を待つ間もなく、俺は果てる。
直後、解放感と疲労感に襲われ、軽く意識を失った。


濡れたタオルの感触で、目が覚める。
「すみません・・・」
「男でも、気失ったりするんだな」
彼は何処か愉快そうに、俺の体を拭きながら、そう言った。
少し霞む目で、彼の身体に視線を移す。
股間のモノは張っていて、彼の昂りを明確にしていた。
「仁科さん」
「ん?」
「しゃぶらせて、下さい」
困惑の表情を浮かべた後、彼は軽く頷いて、俺の頭を撫でる。
「あなたの・・・を、飲ませて下さい」
目を伏せて言った俺の頭上から、微かな溜め息が聞こえた。
何が俺をそこまでさせるのか、きっと彼には理解できなかったんだろう。
俺は、彼に、俺の全てを蹂躙されたかった。
身体も、心も、全て。

壁に寄りかかるようにベッドに座った彼の股間に、顔を埋め
独特な臭いを吸い込みながら、先端に舌をつける。
彼の全身が震えるのを感じた。
片手で扱きながら、先端を唇で愛撫する。
小さく呻く声が聞こえて、それが行動をエスカレートさせる。
彼の手は、震えながら俺の背中を上下に擦っていた。
彼も、部下にフェラチオをされると言う背徳感に、打ち震えているのだろうか。

喉の奥まで、モノを入れる。
苦しくなるのを我慢しながら、思いっきり吸い付いた。
顎を動かす度に、いやらしい音が、彼の声と混ざって行く。
唾液と、モノから出る液体が、口の中で一緒になって行くことが嬉しかった。
「つ、都築・・・」
昂揚した彼の声。
ゾクゾクした。
「・・・出る、ぞ」
そう言ってくれたのは、きっと優しさなんだろう。
声を合図に、より強く吸い上げる。
初めて聞く、彼の絶頂の声。
俺の口の中は、彼の精液で満たされた。
自分に与えられた試練のように、俺は全て飲み込んだ。

肩で息をする彼は、咽る俺を優しく抱き寄せる。
「あんまり、無理するな」
「・・・良いんです」
自分の左腕に刻まれた、歯形を眺める。
「これが消えたら・・・」
「ああ」
それまで自分の身体の疼きを抑えられるのか、不安になる。
「お前には、仕事も頑張って貰わなきゃならないし」
そう言う仁科さんの表情は、上司の顔だった。
「それまで、放置プレイだ」
普段から想像できない言葉が出てきたことに、俺は急に気恥ずかしくなった。
「他の奴に走ったりしたら・・・許さないぞ」
うなじにキスをしながら呟いた一言に、俺は一つの達成感を得る。
俺は、彼に、囚われたと。


それからも、仁科さんとの関係は上司と部下、それは変わらなかった。
ただ、歯形が消える頃、俺たちは互いの傷を癒すように、肌を重ね
そしてまた、彼の証が付けられる。
いつまでこんなことが続くのか、予想もつかないけれど
彼の束縛が解けないよう願いながら、俺は、至福の時を心待ちにしている。

□ 16_成就★ □
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癒し、癒され。

本日夜にコメントを頂いた閲覧者様へ

そのようなコメントを頂けるだけで、大変ありがたく思います。
全ての話が癒しに繋がる訳では無いと思いますが
そう言った形で少しでも心に沁みて頂ければ、物書きの端くれ冥利に尽きます。
気が向いた時に、フラッと立ち寄って頂けるような場所になれば幸いです。
それが、私にとっても癒しになりますので。
Information

まべちがわ

Author:まべちがわ
妄想力を高める為、日々精進。
閲覧して頂いた全ての皆様に、感謝を。

2011-3-12
東日本大震災の被害に遭われた方に
心よりお見舞いを申し上げます。
故郷の復興の為に、僅かばかりにでも
尽力出来ればと思っております。

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