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嫉妬★(6/7)

「煙草、消せ」
諏訪は、部屋に入ってくるなり言った。
黙って煙草を消すと同時に、部屋の電気が消される。
思った以上に部屋は暗くなった。
目を慣らそうとする間もなく、俺はベッドに押し倒され
諏訪の身体の重さと体温をダイレクトに感じた。

「なっ・・・」
「心の準備なんかさせてたら、いつまで経っても始まらないからな」
確かにそうかも知れない、そう思っていると、俺の口は唇で塞がれ
前触れも無く舌が入って来た。
しばらくされるがままになっていると、一旦口が離れていく。
「もっと、舌、絡ませて来いよ」
そう言って、再び俺の舌を舐りにかかる。
暗い部屋に、互いの息遣いと、舌の絡む音が響く。
視界がままならない中で、その音は俺の気分を徐々に高揚させていく。

長いディープキスが終わり、奴の舌は首筋へ降りて来た。
肩にかけて舌が這い、慣れない感覚に身体がびくつく。
右手は首から鎖骨を滑り、胸へ伸びて行き、やがて指が乳首を捉える。
喉の奥から、小さな呻き声が出た。
指の動きが止まったかと思うと、人差し指と中指が口の中へ入ってくる。
「しゃぶって」
意図を汲むことも無く、指を咥え、しゃぶる。
奴の舌は、もう一方の乳首を舐めあげた。
吐く息が大きくなる。
口から抜かれた自分の唾液で濡れた指が、再度乳首へ戻り、柔らかい刺激を与えてくる。
妙な感覚に、身を捩る。
「なかなか、良い反応だな」
諏訪は鼻で笑う。
他人に快感を与えられると言う初めての経験。
緊張で硬直した身体が、その感覚に溶かされていくのが分かる。

諏訪の手と頭が、徐々に下半身へと移動する。
腹やヘソの辺りに湿ったものを感じ、どうにもくすぐったい。
左足の膝裏辺りに手が入ってきて、膝を立てるよう促してくる。
空気に触れる形になった太ももをゆっくりと擦られ、腰が僅かに浮いた。
その手はトランクスの裾から、尻の方まで入ってくる。
腕を枕の下に入れ、顔を埋める様にして行為を受け容れている俺に
奴は冷静な口調で話しかけてきた。
「案外、毛、薄いなぁ」
「普通、だろ」
普通がどの程度なのかは分からなかったけれど
手の動きは止まっていないから、声は絶え絶えになる。
そうこうしている内に、唯一身に纏っていた物が引き摺り下ろされる。
篭っていた熱が一気に蒸散されたのか、少し寒くなった。


諏訪の顔が、俺の顔の側に寄ってくる。
枕に半分埋もれた顔に唇が触れ、上を向くように促される。
目が慣れてきて、諏訪の顔もおぼろげに見えるようになっていた。
こういう状況だからなのか、奴の表情はいつもとは違って見える。
手が俺のモノを根元から撫でて来た。
良く知った刺激を感じて、眉間に皺が寄り、鼻から深い息が出る。
「案外、でかいな」
その声から、さっきほどの冷静さは感じられず
俺も、その言葉に何かを返す余裕は無かった。
「舌、出せ」
下半身から上がってくる快感に押されるように、舌を口から突き出し、絡ませる。
自分の身体が奴の思いのままにされていることに、俺は興奮を覚えた。

モノを扱く手の動きは、徐々に早くなる。
乳首が舌で刺激され、出る声が抑えられなくなってきた。
自分の左腕で口を押さえ、漏れ出無いようにしていると
その腕が掴まれ、頭上に押さえつけられる。
「もっと・・・声、聞かせろよ」
耳元で囁かれる、初めて聞く諏訪の興奮した声。
聴覚からの刺激が、理性を飛ばす。

身体が震える。
限界が近いことを感じていた。
「諏、訪・・・もう・・・」
奴は腕から手を離し、俺の頭を胸の辺りに抱え込む。
それを合図としたように、刺激は更に強くなる。
間を置かず、一気に絶頂へ上りつめ、俺は果てた。

ドロっとした液体の感触が、腹に広がるのを感じた。
快楽の余韻に浸る俺に、諏訪は優しい表情を見せ、額にキスをする。
「どうよ?他人にイかされるのは」
「・・・どう、って」
「自分でやるよりは良いだろ?」
薄笑いを浮かべながら、俺の乳首を甘噛みしてくる。
くぐもった声が、喉に響いた。
「敏感だな」
「何、言ってんだよ」
指摘は当たっていると思う。
今日まで知らなかった自分の身体の感性を、奴の手で呼び起こされた気分だった。
モノを扱いてイく、過程は同じだったとしても
それが他人の手によってなされるという状況が、何倍も快感を増幅させてくれる。

□ 14_嫉妬★ □   
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玉になって落ちて来た汗が嫌だと思いながら、女は大袈裟に善い振りの芝居が出来ます。でも、男は隠しようが無い。頭の天辺までジンジンする感覚も、男同士ならお互いに既知の事柄。騙し合いが出来ない関係って、かなりキツイ…。それが故に、濃厚にはまってしまうのか?男って感覚を司る右脳が発達している…。その瞬間がどうなのか、女と同じような感覚なのか、女には永遠に分からない。
結末がどうなるのか?ドキドキします。

探り合いの楽しみ

男が感じる"部分"を、男が身を持って知っているのは当たり前のことですが
やはり感じ"方"は人それぞれなのだと思っています。
それを探り合い、少しずつ剥き出して行く内に
より深く嵌り込んで行く感覚は、異性同士でも感じられる部分です。
性行為の楽しみの一つは、そんなところにもあるのかも知れません。

正直、今回の話で、このようなコメントを頂いたことに驚いております。
その感想の質に、溜め息が出る思いでした。
為になります。ありがとうございました。
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まべちがわ

Author:まべちがわ
妄想力を高める為、日々精進。
閲覧して頂いた全ての皆様に、感謝を。

2011-3-12
東日本大震災の被害に遭われた方に
心よりお見舞いを申し上げます。
故郷の復興の為に、僅かばかりにでも
尽力出来ればと思っております。

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