Blog TOP


主従-虚-★(2/5)

他の男との性交の証拠を抉り出すことで、自らの支配欲を弄び
他の男との性交を見せつけることで、俺の隷属欲を掻き立てる。
俺と彼の間に、恐らく、恋愛感情は無い。
あるのは、歪んだ欲求の凹凸と、絶対的な信頼関係だけ。
彼と知り合わなければ生涯気付かなかったであろう悦びを開発されたことは
恨めしくもあり、喜ばしくもある。


男が迎え入れたのは、俺よりもかなり年下と思われる若い男。
部屋のソファに荷物を放り投げ、俺に向かって蔑視を向ける。
「トモキ、先に風呂に入っておいで」
恐らく彼は、飼い主の愛人なのだろう。
声を掛けた中年の男の腕を取り、情熱的な口づけを交わす。
「・・・一緒に入ろうよ」
「待ってて。すぐに行くから」

柔和な顔で青年を見送った男は、その雰囲気のままで俺の拘束を解いていく。
俺は上半身に残された服を脱ぎながら、拘束椅子の背もたれをリクライニングさせる彼を見ていた。
「さあ、乗って下さい」
その言葉と視線に命ぜられるまま、台と化した椅子の上に、四つん這いになる。
両手・両足を繋ぐ枷と首輪が付けられ、首輪から伸びるチェーンの先には乳首を虐めるクリップが二つ。
腰回りに生ぬるい粘液が纏わり付きながら流れ、ゆっくりと穴がこじ開けられる。
やがて入り込んできた異物は、腸壁に吸い付くような質感を以って、身体を強張らせた。

痛みと快感と羞恥が相まって、頭の中が落ち着かない。
腰を浮かす度に、器具に付けられているらしい鈴の音が鳴った。
悶えるように伏せていた顔が、前髪を掴まれて上向かされる。
「大人しく見てるんですよ。良いですね?」
眼を上げた先には、キングサイズのベッド。
満足そうな表情をした彼が、ボールギャグで俺の口を塞ぐ。
今日は、最後までまともでいられるだろうか。
そんな不安すら、歪な歯車が快楽に変えていく。


彼らが甘い時間を過ごす中、俺は一人、圧し掛かるようなオーガズムの波に飲まれていた。
頭を揺らすだけで、突き刺さるような痛みが乳首を責める。
アナルに沈む違和感はやがて溶ける様に身体と一体になり
下半身の筋肉が僅かに弛緩するだけで、鈴音と共に得も言われぬ刺激を全身に走らせる。
けれど、同じような快感はなかなか得られず、もどかしさで理性が徐々に削られていく。

しばらくすると、二人の男が部屋に戻ってきた。
全裸のままでベッドに横になり、身体を絡ませ合う。
唇を重ねた後、若い男が円熟味の増した身体をゆっくりと愛撫する。
空間に充満するのは、男たちの粘つく吐息と、俺の口から出ていく湿った音。
眼鏡の奥から、官能的な視線が刺さる。
嫉妬に狂えとばかりに、俺の心を煽る。

青年の手が添えられた男のモノは、既に興奮した状態にあった。
舌を這わされた瞬間、眉をひそめて息を吐く。
上目遣いの彼の頭を軽く撫で、その動きを促す。
微かな水音が耳に届く度に、我が身の焦燥感が煽られる。
どうしようもない位にいきり立ったモノに触れることも出来ず、されど全身を駆ける刺激。
堪らず腰を動かすと、チリンという儚い音と引き換えに、残酷な仕打ちが襲う。


「あっ、あ・・・んっう」
身体が激しくぶつかり合う音と、ベッドが軋む音を掻き消すほどの男の声。
柔軟に折り曲がった若い男の身体を、もう一人の男のモノが貫いている。
「っあ、そ、れ・・・ヤバい」
「こう?」
「んんっ、は、あ」
腰を打ち付ける度に盛り上がる筋肉の陰影が、雄の魅力をこれでもかと振り撒く。
挿入している部分を見せつける様に体勢を変えながら、二人は絶頂を目指す。
俺も、あんな風に、突かれたい。
無意識の内に、男の腰の動きに身体が同調し
いつしか、膝の周りの窪んだ部分には淫らな水たまりが出来ていた。

二人が果てたのは、ほぼ同時だったらしい。
身体を抱き締め合い、しばしの余韻に浸った後
若干の疲れを見せる男が、目の前の青年に優しく口づける。
「シャワー浴びておいで」
満足げに頷いた彼は、もう俺に目を向けることも無く、ベッドから出ていく。


モノに被せられたゴムを引き抜きながら、男は俺の前に立つ。
「酷い顔ですね」
汗に濡れた顔が、冷たく笑った。
「そんなに垂らして・・・我慢汁だけじゃ、無いんじゃないですか?」
ゆっくりと俺の後ろに回った彼は、しゃがみ込み、暴発しそうなモノに指を伸ばす。
「っん、う・・・」
引きつった声を合図に、先端を指で挟み、液体を絞り出すように弄る。
「幾ら発情してると言っても、お漏らしなんて、恥ずかしいですよ」
浴室から聞こえていたシャワーの音が止む。
「ご褒美をあげる前に、お仕置きですね」

□ 82_主従-虚-★ □
■ 1 ■   ■ 2 ■   ■ 3 ■   ■ 4 ■   ■ 5 ■
□ 84_主従-実-★ □
■ 1 ■   ■ 2 ■   ■ 3 ■   ■ 4 ■   ■ 5 ■   ■ 6 ■
>>> 小説一覧 <<<

コメント

非公開コメント

Information

まべちがわ

Author:まべちがわ
妄想力を高める為、日々精進。
閲覧して頂いた全ての皆様に、感謝を。

2011-3-12
東日本大震災の被害に遭われた方に
心よりお見舞いを申し上げます。
故郷の復興の為に、僅かばかりにでも
尽力出来ればと思っております。

*** Link Free ***



>> 避難所@livedoor
Novels List
※★が付く小説はR18となります。

>>更新履歴・小説一覧<<

New Entries
Ranking / Link
FC2 Blog Ranking

にほんブログ村[BL・GL・TL]

駄文同盟

Open Sesame![R18]

B-LOVERs★LINK

SindBad Bookmarks[R18]

GAY ART NAVIGATION[R18]

[Special Thanks]

使える写真ギャラリーSothei

仙臺写眞館

Comments
Search
QR Code
QR