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象徴★(3/5)

小さく舌打ちをする音が聞こえた。
それをきっかけに、何かのスイッチが入ったのかも知れない。
座っている彼のネクタイを掴み上げ、顔を近づけた。
「何か、ご不満でも?」
「べ、別に・・・」
首が絞まり苦しいのか、息絶え絶えに言葉を発する。
オレの腕を振り払おうと、彼の手が腕にかかった。
「抵抗するんですか?」
「手を・・・離せ」
口の端が自然に上がる。
掴んだままのネクタイをそのまま、力任せに横へ引っ張る。
バランスを崩し、肩から床に落ちた彼の胸元を踏みつけた。
「・・・元請けだからって、こんなことが、許されると思ってるのか」
「あなたが昔してきたことに比べれば、可愛いものだと思いますけどね」
床に転がる図体の大きな男を見下ろす。
これから、こいつを、どうしてやろうか。

起き上がろうとする彼の腹を、思い切り蹴りつける。
若干先の尖った革靴が、めり込む感覚が気持ち良い。
痛みに耐えているのか、彼は腹を押さえて身を縮める。
「こんなことで、私の気が済むとは思ってませんよね?」
彼は鋭い眼光で、オレを見上げた。
「私が味わった気分、あなたにも味わってもらいますよ」
彼の憎しみの表情が、一瞬怯えに変わる。
オレの顔には、それだけ、復讐心が表れていたのかも知れない。

「立って下さい」
彼は机に手をかけ、フラフラと立ち上がる。
それを見計らうように、再度みぞおちを殴りつけた。
短い声を上げて、崩れるように椅子に座り込む。
「何を・・・」
「言ったでしょう」
痛みにもがく彼の後ろに回り、腕を自分のネクタイで縛り上げ
彼のネクタイを外し、口を塞ぐように結ぶ。
抵抗しようとしているのか、椅子が揺れ、床にぶつかる音が響く。
「あんまり騒がないで下さいよ。こんな格好、見られたく無いでしょ?」
抵抗が、少し止む。
「私の気が済むまで、付き合って貰いますよ」
きっと顔は、満面の笑みだったに違いない。

オレは彼の後ろに座り、足を絡ませて両足を開かせる。
興奮を抑えながら、ワイシャツのボタンを上から外していく。
唾を飲み込む音が微かに聞こえ、身体の小刻みな震えを感じる。
観念したのか、抵抗の機会を伺っているのかは、まだ分からなかった。
手がベルトにかかると、彼は首を振り、抵抗しだす。
そんなものはお構い無しにベルトを外し、ジッパーを下げ、モノを引きずり出す。
嘲笑を浮かべるオレに向けられた視線は、憎悪そのものだった。
「憎たらしい派遣社員に、こんなことされるのはどんな気分ですか?」
ゆっくりと、モノを弄る。
相変わらず、彼は身体をゆすり、何とか逃れようとしている。

「この辺は、どうですかね」
はだけたワイシャツを後ろに引っ張り、背中から首筋に掛け、わざと音を立てて愛撫する。
思わぬ感覚だったのか、彼はビクッと身体を振るわせた。
そのまま首から耳へ、舌を滑らせる。
女性の顔と違い、ザラザラとした触感が何とも言えなかったが
彼の羞恥心を煽るには、覿面の効果があったようだ。
モノを握る手に、確かな反応があった。
「耳なんか、感じるんですか?」
耳たぶを軽く噛み、耳の後ろを舌先で舐めながら、そう呟く。
「こっち、明らかに硬くなって来てますよ」
軽く扱きながら、その反応を楽しむ。
彼の首を振る仕草も、段々弱まってきた。

シャツの中に手を入れ、腹や胸をまさぐると、意外に筋肉質であることが分かる。
腹筋の辺りからヘソ、わき腹と、ゆっくりと手を動かす。
爪を立てると、彼は小さく反応した。
「結構、良い身体してるんですね。しかも、敏感だ」
歯を食いしばっているのか、小さな歯軋りが聞こえる。
乳首の辺りを触ると、反応はより明確になった。
指で挟みこむように、弄る。
彼の目は、閉じられていた。
顔は俯き、その刺激に堪えているようだった。

先端から染みて来ている液体で、扱く手も滑らかになってきた。
彼の喉の奥から、くぐもった声が小さく響く。
「客先の打合室で、こんなにしちゃって、恥ずかしくないんですか?」
睨みつけているつもりなのだろうが、覇気は無かった。
羞恥と憎悪と懇願の入り混じった、オレの気分を高揚させてくれる表情だった。
扱く速度を上げながら、時折、先端を摘むように弄る。
彼の背中が小刻みに震え、絶頂が近いことを悟る。

不意に手を止め、彼の口からネクタイを外す。
大きなため息をつき、弱弱しい声で、彼は言った。
「こんなことして・・・只で済むと思うな」
「どうするんですか?元請けの社員の男に、こんなことされましたって言うんですか?」
そう言って、彼のモノを指で弾く。
突然の刺激に、短い喘ぎ声を上げる。
「私がされたことより、よっぽど良いと思いますけど」
彼のネクタイで、今度は視界を奪う。
「気持ち良くさせて貰ってるでしょう?・・・私は、痛いだけでしたよ」

□ 08_象徴★ □   
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まべちがわ

Author:まべちがわ
妄想力を高める為、日々精進。
閲覧して頂いた全ての皆様に、感謝を。

2011-3-12
東日本大震災の被害に遭われた方に
心よりお見舞いを申し上げます。
故郷の復興の為に、僅かばかりにでも
尽力出来ればと思っております。

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