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治癒★(4/6)

頭からお湯を被る、久しぶりの感触が気持ち良い。
今まで濡れタオルで身体を拭くだけだったところから、やっとシャワーを浴びる許可が下りた。
とは言え、足を濡らすことが出来ない為、シャワーチェアーに座り、台に足を投げ出すような体勢。
一人ではちょっと難しいからと理由をつけて、貴司をブースの中に呼び込んだ。

「ハル、ちょっと太ったんじゃね?」
俺の身体をシャワーで洗い流しながら、彼は若干弛んだ脇腹を摘む。
「そりゃ・・・食って、寝て、の生活だからな」
「ガチムチに転向か」
「・・・サラッとそう言うこと、言う訳?」
「オレは、別に構わないけど」
「じゃ、少し、運動させてくれよ」
濡れた腕で、彼の身体を引き寄せた。
「おい、こんな所で・・・」
「平気だ、5分で終わる」
シャワーから出る湯を止めて、服の上からその腰回りに唇を這わす。
ベルトを外す金具の音が、湯気の漂った空間にくぐもった響きを残した。

久しぶりの、彼の味。
舐るほどに立つ卑猥な音が、興奮を掻き立てる。
俺の頭を抱えるように傍らに立つ彼の息遣いが、徐々に激しくなっていく。
大きくなったモノを口から解放し、手で柔らかく扱くと、先端から染み出た汁が唾液と混ざり合う。
「・・・早くね?」
「そ、う?」
首筋に回された手が、自らの身体に俺の顔を押し付ける。
「あん時、抜けなかった、から、かな」
見上げる俺の顔に、彼の満足そうな、狂おしい笑みが向けられた。
「ハルに、されんの、待ってた」
その言葉に、身体が熱くなる。
手の中のモノが、待ちきれないとばかりに小さな痙攣を繰り返す。
「イかせて、よ」

荒い息に混ざる薄い喘ぎが、頭の動きを加速させる。
絶頂寸前のモノが痛々しいほどに腫れ上がり、口の中を圧迫する。
「・・・んっ」
短い声を上げながらビクつく身体が離れていく。
壁にもたれかかるように果てた彼のモノから、精液が滴り落ちていくのが見えた。
肩で息をする、紅潮した彼の手を引き、再度身体を引き寄せる。
余韻を残すモノに唇を寄せ、彼の全てを吸い尽くす。
「あんまり・・・すると、また・・・」
「何度でも咥えてやるよ」
「そう言う訳には、行かない、だろ」
欲求が頭をもたげ始めないよう身体を離した彼は、俺の頬にキスをして囁いた。
「オレにも・・・しゃぶらせて」


服を着たままシャワーブースに跪く彼の頭が、俺の下半身で蠢いている。
モノを根元から舐め上げる、うっとりとしたような表情が堪らない。
滲み出た汁を絞り出すように、先端を唇が愛撫する。
「う・・・そ、こ」
「気持ち良い?」
「いい・・・」
彼の頭に添えた手に、少しだけ力を込める。
「もっと?」
「・・・ん、もっと」
わざと音を立てながら、淫らに舌が絡みつく。
視覚、聴覚、触覚、ありとあらゆる感覚で、快感を愉しんだ。
「あー・・・」
僅かにずれた眼鏡の奥の眼が、俺を見る。
「すげぇ、幸せ」
嬉しそうな、寂しそうな表情を浮かべた彼の顔が、俺の顔に近づいてくる。
十分に濡れたモノをゆっくりと扱きながら、彼は首を傾げた。
「・・・早く、帰って来て」
「もう、すぐ・・・戻る、よ」
「全身で、ハルのこと、感じたい」
触れ合った唇と、官能的な呟きが、情動を一気に高みへ導く。
抑えきれない声が、ブースの中を満たす。
重たく足の付け根を流れていく精液の感触が、心地良い疲労感を身体に染み込ませた。


「あの椅子、家にもいるかな?」
「何で?」
「家に帰って来たって、しばらくは足、このままだろ?」
「そうだけど」
狭いユニットバスで、どうシャワーを浴びるべきか。
思案を巡らせていると、貴司が一言呟く。
「そうすりゃ、いつでもソープ状態だな」
「お前・・・どうした、今日?」
「何が?」
「いつもそんな、下ネタ多かったか?」
「ああ・・・欲求不満」
「来週には帰るって言ってるじゃん」
「分かってるけど」
「・・・他の奴に、走ったりすんなよ?」
不意に湧いた不安を嘲笑うよう、彼は乾いた笑い声を上げる。
「そんなこと簡単に出来るんなら、こんな風にはなんねぇって」

□ 37_明鏡 □
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□ 46_治癒★ □
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想像する楽しみ

小説の登場人物は、コミックと違って外見を自由に想像して読んでいます。だから、人によってイメージが違うでしょうね。それが楽しみでもあります。
一口にイケメンと言っても、万人がそう思う人もいれば、男女でかなり見方が違う場合もありますね。
ゲゲゲでブレイクした俳優の向○理さん。私はカッコいいと思いますが、息子に聞くと、自分の友人達と比べても「良い意味で普通。」
で、息子の考えるイケメンを3名挙げさすと…。
歌手で俳優の福○雅治さん←万人が同意すると思います。
やはり歌手で俳優のG○CKTさん←へぇ、男から見てもそうなんだ~。
大物俳優だった緒○拳さん←えっ~、意外です…。男女では見方が違うのかしら!?

顔のない人物。

文章を書く際、頭の中には大まかな人物のビジュアルイメージを持っています。
ですが、ルックスの表現を話の中ですることは殆どありません。
仰る通り、小説の良いところは、読み手が自由に容姿を想像できるところにあると思っているのと
人によって審美眼は千差万別であるというところから、細かな描写はなるべく避けるようにしています。
絵を描くことが出来ないのは、幸か不幸か・・・。
今後も、顔のおぼろげな男たちが出てまいりますが、どうぞお好みの容姿を付けてやってください。
Information

まべちがわ

Author:まべちがわ
妄想力を高める為、日々精進。
閲覧して頂いた全ての皆様に、感謝を。

2011-3-12
東日本大震災の被害に遭われた方に
心よりお見舞いを申し上げます。
故郷の復興の為に、僅かばかりにでも
尽力出来ればと思っております。

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