希求★(4/5)
ネクタイを掴む手が緩み、やがてそれが外される。
ピンと張ったネクタイが、顔に近づいてくる。
彼の表情は、卑しい笑みを浮かべたところで、俺の記憶から消えた。
視界さえ、自由を奪われた。
彼は、首筋を撫でながら、ワイシャツのボタンを外していく。
中に着ているシャツを捲くり上げられ、上半身が晒される。
五感の一つを失うと、他の感覚が鋭くなると言うのは、本当かも知れない。
彼の手が体の何処かに、わずかに触れるだけでも、不快感が増して行った。
手は下半身に移る。
ズボンが太ももまで下げられ、ボクサーに手がかかる。
彼は、フッと鼻で笑い、こう言った。
「最悪な気分だろ」
全くだ。
「すぐに、そんなことも考えられないようにしてやるさ」
音が鳴りそうなほど、奥歯をかみ締める。
ボクサーは引きずり下ろされ、俺のモノは空気に触れた。
彼は、カバンの中から何かを取り出しているようだった。
屈辱的な格好をさせられたまま、鼓動が早まる。
「ああ、安心して良いよ」
何を今更、言っているんだ。
「僕、セックスには興味ないからね」
このまま気を失ってしまえたら、どんなに良いだろう。
股間に何かが嵌められる。
モノだけを収め、両方の腰骨の辺りで金属製のフックがかけられる。
ものすごくピッチリとした、革のビキニのようなものが想像できた。
外に出ている双方の玉の部分にも、何かが取り付けられる感覚があった。
頭が混乱しそうだった。
カチ、という無機質な音がした瞬間、双方に、異なる衝撃が走る。
思わず、声が出た。
波打つように扱かれ、小刻みな振動を加えられるモノと
ピリピリと微弱な電流が走るような痛みを加えられる玉。
それらが、強弱を繰り返して与えられた。
下を向いて、唇をかみ締める。
その痛みで、全ての感覚が忘れられたらと願う。
低く響くモーター音の中で、更にジャラっと言う金属音がした。
強制的な快感に吹き飛ばされそうになっていた意識が、恐怖に呼び起こされる。
「腰が引けてきてるぞ。膝が持たなくなるのも、時間の問題だな」
くぐもった彼の声から、激しい興奮が感じられた。
彼は俺の乳首を指で弾くと、また鼻で笑う。
乳首が何かで挟まれ、激しい痛みが走る。
両方に着けられ、彼が手を離すと、金属製の鎖がみぞおちの辺りに当たる感覚があった。
自分の姿を想像することは、もう、したくなかった。
どうすれば、この時間が終わるのか、それしか考えられなかった。
「今までこれで10分もった奴は、いなかったな」
今まで、いなかった。
俺と同じ目に遭っている人間が、他にもいるってことか。
同じ下請けの人間だろうか。
もしかして、うちの会社の人間が・・・。
そんな考えも、彼の手元の動きで中断させられる。
「君は、どれくらいもつかな?」
無理矢理登らされ、寸前で梯子を外される。
その繰り返しが、一体どのくらい続いただろう。
□ 04_希求★ □
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ピンと張ったネクタイが、顔に近づいてくる。
彼の表情は、卑しい笑みを浮かべたところで、俺の記憶から消えた。
視界さえ、自由を奪われた。
彼は、首筋を撫でながら、ワイシャツのボタンを外していく。
中に着ているシャツを捲くり上げられ、上半身が晒される。
五感の一つを失うと、他の感覚が鋭くなると言うのは、本当かも知れない。
彼の手が体の何処かに、わずかに触れるだけでも、不快感が増して行った。
手は下半身に移る。
ズボンが太ももまで下げられ、ボクサーに手がかかる。
彼は、フッと鼻で笑い、こう言った。
「最悪な気分だろ」
全くだ。
「すぐに、そんなことも考えられないようにしてやるさ」
音が鳴りそうなほど、奥歯をかみ締める。
ボクサーは引きずり下ろされ、俺のモノは空気に触れた。
彼は、カバンの中から何かを取り出しているようだった。
屈辱的な格好をさせられたまま、鼓動が早まる。
「ああ、安心して良いよ」
何を今更、言っているんだ。
「僕、セックスには興味ないからね」
このまま気を失ってしまえたら、どんなに良いだろう。
股間に何かが嵌められる。
モノだけを収め、両方の腰骨の辺りで金属製のフックがかけられる。
ものすごくピッチリとした、革のビキニのようなものが想像できた。
外に出ている双方の玉の部分にも、何かが取り付けられる感覚があった。
頭が混乱しそうだった。
カチ、という無機質な音がした瞬間、双方に、異なる衝撃が走る。
思わず、声が出た。
波打つように扱かれ、小刻みな振動を加えられるモノと
ピリピリと微弱な電流が走るような痛みを加えられる玉。
それらが、強弱を繰り返して与えられた。
下を向いて、唇をかみ締める。
その痛みで、全ての感覚が忘れられたらと願う。
低く響くモーター音の中で、更にジャラっと言う金属音がした。
強制的な快感に吹き飛ばされそうになっていた意識が、恐怖に呼び起こされる。
「腰が引けてきてるぞ。膝が持たなくなるのも、時間の問題だな」
くぐもった彼の声から、激しい興奮が感じられた。
彼は俺の乳首を指で弾くと、また鼻で笑う。
乳首が何かで挟まれ、激しい痛みが走る。
両方に着けられ、彼が手を離すと、金属製の鎖がみぞおちの辺りに当たる感覚があった。
自分の姿を想像することは、もう、したくなかった。
どうすれば、この時間が終わるのか、それしか考えられなかった。
「今までこれで10分もった奴は、いなかったな」
今まで、いなかった。
俺と同じ目に遭っている人間が、他にもいるってことか。
同じ下請けの人間だろうか。
もしかして、うちの会社の人間が・・・。
そんな考えも、彼の手元の動きで中断させられる。
「君は、どれくらいもつかな?」
無理矢理登らされ、寸前で梯子を外される。
その繰り返しが、一体どのくらい続いただろう。
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