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空疎★(1/7)

「・・・おはようございます」
上目遣いの彼は小さな声で挨拶をしながら、遠慮がちに俺の向かいの席に座る。
こんな毎日が続くようになって、もう1ヶ月。
少しは馴染んで来ても良いのだろうと思うのに、その気配すら見えない。
3ヶ月の試用期間が終われば、彼は係長として登用される。
馴れ馴れしい人間は苦手だけれども、あまりによそよそしくされるのも複雑だ。

前職はゼネコンの構造設計。
転職の決め手になったものが何だったのかは分からないけれど
入社当初に開かれたささやかな歓迎会の場、呑めない酒に気分を浮かされたのか
何となく人生が煮詰まった様な気がしてと、はにかんだのは良く覚えている。
35歳を前にしての方向転換には、それなりに勇気が必要だったと思う。
彼より年下の俺でも、もう、ここを飛び出す気概は無い。

夕方、定時前。
グループの上司である引地課長補佐の声が飛んで来た。
「川端君、ちょっと良いかな」
目の前の彼は、ふと不安げな顔を浮かべ、その席に赴く。
今、引地さんが頭となって手がけている大手ホテルチェーンの建物耐震診断。
来週から始まる中国地方への出張コンサルティングの件なのだろう。
予備資料の作成は俺に任されていたけれど、本調査は彼がメインで進めて行くことになっている。
過去の実績から考えれば何の問題も無いはずなのに
あんな表情をするのは、まだ新しい仕事に自信が持てないと言うことなんだろうか。


明るい髪に小柄な身体、声も少し高いトーンの彼に、上司はあまり良い印象を持っていないようだった。
仕事ぶりを見た目で判断する事は出来ないが、自信無さげな口調も輪をかけたのか
喫煙所で同期相手に軽口を叩く姿を、何回か見かけたことがある。
「香月も、あんなチビで陰気な奴が上司なんて、腑に落ちないんじゃないのか?」
不意に話を振られても、引きつった笑いしか返せない。
あんたを筆頭に、上司は選べないんだから。
そんな言葉が口から出かかるのを、必死に堪えていた。

向かいに座る男に、来たる上司に対する感情以上のものを抱き始めたのは、いつ頃だろう。
ほぼ、一目惚れだったのかも知れない。
元々そう言う性質を持っていたのだろうけれど
男に対して性的魅力を感じるようになったのは、社会人になってからだ。
高校生の時の淡い恋愛から長いブランクを置いてしまったせいなのか
大した女に巡り合ってこなかったのか、理由は分からない。
瞬間、独りよがりな感情を抱きながら身体を慰めては、また移ろう。
想いを遂げようと思ったことも、その身に手を伸ばそうと試みたことも無い。
それでも、多忙な毎日の中で、俺は十分に満足していた。

彼への想いも、そんな一過性のものだと思っていた。
業務以外の会話が殆ど無いからこそ、妄想も冴える。
その風貌が、普段解消されない破壊衝動をも満たしてくれる。
好きなだけ楽しんで、また次に移るはずだったのに。
下衆な嘲笑が、思いも寄らない彼への独占欲を掻き立てる。


課長補佐と川端さんが出張から帰って来た翌日。
調査資料の作成で残業中、夜も更けて来た喫煙所で帰り際の上司に出くわした。
「出張はどうでした?」
「ああ、法的指針すら満たしてない建物が多くてね。オレら的には検討し甲斐があるけど」
「じゃあ、修繕費もバカにならないでしょうね」
「ホテルである以上、そんなこと言ってらんないだろ」
そう笑う彼は、短くなった吸殻を灰皿に投げ込み、更に新しい煙草に火を点ける。

「川端さんとも、いろいろ話す機会があったんじゃないですか?」
双方の間の感情が芳しいものでは無いことは、傍から見ても明らかだった。
単なる好奇心から出た俺の問に、彼の表情が気持ちの悪い変化を見せる。
「あいつ、なかなか使えるかもな」
目つきとは相反する言葉が、不快感を増長する。
「そう、なんですか。・・・優秀ですもんね」
俺の言葉を鼻で笑いあしらう彼は、幾分声を抑え、部下とのエピソードを話しだした。


どんな顔をして席に戻れば良いのか。
迷いあぐねる内に、エレベーターは目的階に到着する。
照明が落とされた廊下の向こうに、蛍光灯が輝く一角が目に入った。
様々なものが視線を遮っているけれど、確かに彼は、そこにいるはずだ。

俺の気配に気が付いた川端さんは、何となく安心したような眼差しを向けてくる。
「どうですか?そちらの方は」
「ええ、何とか基本的な部分は入力できました」
ディスプレイに軽く添えた手に呼ばれるよう、彼の席の方へ回り込んだ。
緩めたネクタイに、袖が捲られたワイシャツ。
昼間とは違う、少し気が緩んだような雰囲気が、小さな身体から感じられる。
「来週から具体的な検討作業に入れそうですね」
屈みこんで画面を覗き込む俺の傍で、彼はそう言って疲れた笑顔を見せた。

「出張は、どうでした?」
彼の表情を窺えない位置で、そんな問い掛けをした。
「・・・本格的な調査は、初めてだったんで。なかなか苦労しました」
一瞬言葉に詰まりながらも、彼はそう答える。
「引地さんと3日も4日も一緒って、大変だったでしょう?」
「え、いや、まぁ・・・仕事ですし」
振り返ると、若干困惑した彼の顔が目に入る。
上司が笑いながら話したことは事実だったんだろうと、呆れるような、悔しいような気分になった。

体勢を立て直し、彼の肩に手を置く。
「香月、さん?」
見上げる視線に混ざる、幾ばくの不安。
この身体が、俺のものになるのかも知れない。
期待で心が逸るのを感じながら、その耳元に顔を近づけ、呟いた。
「川端さん・・・引地さんのチンポしゃぶったって、本当ですか?」

□ 56_空疎★ □
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空疎★(2/7)

年齢的にも、これが最後の転職。
ここで失敗すれば、もう後が無い。
部下の悲壮な想いを、上司はただ快楽の為に利用した。
「目ぇ閉じてりゃ、正直女と変わんねぇよ。口が小せぇから、良い感じでリアルだし」
煙を吐き出す男の顔は、酷く醜く見えた。
「呻き声も、ちょっと歳行った女みたいに聞こえなくも無いしな」
まだ試用期間の身。
正式な採用に対して決定権を持つのは部長だが、直属の上司である彼の意向は大きい。
脅し文句が目に浮かぶようだった。
「出張には、あいつ連れてけば、風俗代が浮くってか」


彼は明らかに怯えていた。
息を飲む音が耳に響く。
「そう言う、趣味なんですか?」
「まさか・・・あれは・・・」
「酒の勢い?欲求不満?」
「そうじゃ、なくて・・・」
腕の方に手を下ろしていくと、その身体が小さく強張る。
暗くなったフロアの中で、点滅しているセキュリティカメラのランプが目に入った。
「そろそろ、帰りませんか」

彼から見れば、俺も上司も、きっと同じ顔をしているのだろう。
エレベーターホールを素通りする俺を見た彼は、目を伏せ、唇を噛んだ。
立ち尽くす彼に、視線を向け続ける。
やがて観念したのか、その足を引き摺るよう、俺の方へ歩みを進めた。

去年改築されたトイレは、人気も無く、寒々しい空気を漂わせている。
一番奥のブースに彼を促す。
顎を少し上向け、便器に目をやると、彼はうなだれたままで腰を掛けた。
後ろ手にドアを閉め、ライニングの上に自分と彼の鞄を置く。
「保身の為に上司の性欲処理するなんて、大変ですね」
その一言に、僅かに顔を上げ、鋭い視線を向ける彼。
「会社に残る為なら、何でもするんだ?」
怒りに満ちた表情が、彼の絶望を映す。
それが、身体を昂ぶらせる。
「俺のも、咥えて下さいよ。ここに、残りたいんなら」


萎れたモノを取った彼の手は、大きく震えていた。
その光景を目の裏に焼き付けるよう、見下ろしながら息を吐く。
前屈みになった彼の背中がゆっくりと動き、生温かい感触が下半身を痺れさせる。
ドアにもたれるよう、腰を突き出す。
口の中に入り込んだモノが、その膨らみを一気に増した。

喉奥から湧いてくる呻き声は、確かに女のそれと似通っているのかも知れない。
唾液の絡みつく音が、その声を更に淫らなものに仕立て上げて行く。
照明の光で赤みを増した彼の髪に、指を絡ませる。
ひたすらに単一的な動きを繰り返す小さな身体が、性欲だけではない何かをも満たす。
その場限りの発散だけじゃ、物足りない。
こんなところで、手離さない。

口から引き抜いたモノは、虚ろな眼の前でそそり立っていた。
根元の方を唇に押し付けるよう差し出すと、躊躇いながら舌を這わせる。
目を閉じて男のモノを舐める姿に、上司と部下と言う関係性が狂わされるようだった。


早くなる鼓動が、自らの身体の限界を教えてくれる。
窮屈な空間からモノを抜き出し、彼を立ち上がらせた。
当惑を露わにしたまま、おぼつかない様子の身体を壁に押し付ける。
ベルトに手がかけられる気配に、その口から脅えた声が漏れる。
「な、に・・・する・・・」
バックルの金属音が、虚しく空間に響いた。
「別に、入れたり、しませんから」
ファスナーを下ろし、ボタンを外し、スラックスを腰から下げて行く。
トランクスの上から尻を撫でながら、身体を密着させる。
「引地さんと同じじゃ、嫌だな、って」
腰回りから中に手を差し込むと、身体の震えがダイレクトに伝わって来た。
抑えきれない興奮が、感触を楽しむことすら拒絶する如く、逸る。

下着が太腿まで下ろされ、露わになった腰に手を添える。
尻の割れ目をなぞる様にモノを這わせ、股間に差し込んでいく。
チクチクとした毛の感触と、先端に当たる柔らかく熟れた感触。
腰を振る度に、小さな声を忍ばせた吐息が聞こえる。
間を置かずやってきた快楽の終点が、彼の下半身と無機質なタイルを汚した。


萎れたモノを挟み込んだまま、腰骨に沿わせるよう手を前の方へ回して行く。
大きな溜め息が壁に跳ね返って聞こえてきた。
壁についた彼の手に、自分の手を重ねる。
耳を唇で突きながら、歪んだ変化を見せる彼のモノの感触を確かめた。
「興奮しちゃいました?」
「そん、な・・・」
彼の頭が小さく振れて、喉元辺りに擦り付けられる。
もつれる指が、逃れられない状況を何とか打破しようともがく。
諦めの中で身を捩る彼の身体を独り占めできる悦びで、声が上ずる。
「こういうの、まんざらでも無いんですか?」
自分の精液が纏わりついた彼のモノをゆっくりと扱くと、スーツの中の身体の強張りが伝わって来た。
「そんな、訳・・・無い」
「普通、勃たないと、思いますけど?」
「こ、んな・・・の」
憂いを帯びた声が、俺の身体を再び昂ぶらせる。
手の動きに合わせて、腰を前後に動かす。
「気持ち良くなりましょうよ。面倒なこと、忘れて」

□ 56_空疎★ □
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空疎★(3/7)

下腹部から上半身に向かって手を滑らせる。
想像よりも締まった感触の胸板を撫で、片方の乳首を指で弾いた。
彼の官能が、手の中にあるモノに赤裸々に表れる。
指で挟み込み、軽く引っ張り、離す。
「・・・っく」
溜まりかねたような声がその口から出て行く。
「可愛い声」
執拗に繰り返す内、喉を絞る様な音は大きくなり、上半身が傾き始める。
怒張したモノは、自らが吹き出す液体と俺の精液とで、得も言われぬ感触に包まれていた。

両手で、彼の尻を押し広げる。
自分でも驚くくらいの再生力。
固くなったモノを、穴を解すように擦り付ける。
こびりついた白濁液が若干滑りを良くしているのか、あわよくば吸い込まれてしまいそうな感覚に陥った。
「頼む、そんな・・・やめてくれ」
惨めな格好のまま、彼は懇願を繰り返す。
「引地さんには、入れられたんですか?」
「して、ない・・・してない」
今にも泣きだしそうな声。
恐怖の只中にいる彼の姿を、もっと見ていたい。
窮屈な入口を、先端で何度も叩く。
侵入を阻むように、彼の腰は引けていく。
「頼む、頼むから・・・」
空言を狭いブースの中に漂わせながら、彼は敗北感に囚われて行く。
心と身体の相反も、彼の感情を崩す一役を担っていたのだろう。
戯れを止め、再び手にした彼のモノは、もう、絶頂の寸前だった。

激しく腰を打ち突ける度、彼の身体は大きく波打つ。
息苦しさと快感に喘ぐ声が、脳を侵す。
「う・・・あ」
「・・・っう」
彼が達したすぐ後で襲ってきた二度目の絶頂。
狭苦しい隙間を滴り落ちる精液。
目の前の身体に寄りかかりながら、その疲労感を味わう。
「まんざら、でも、無いでしょう?」
荒い息の中で発した問に、彼は、俯いたままで無言の答を返した。


先に帰って良いと言った俺の言葉を、彼はどう受け止めたのか。
行為の痕跡が染み付けられたブースの中を軽く掃除している間
彼は、洗面カウンターにもたれ、宙に視線を泳がせていた。
穢れを拭き取ったトイレットペーパーが水流に巻き込まれ
まるで、何もなかったかのように、ブースの中は日常を取り戻す。

「後悔してますか?ウチの会社を選んだこと」
呆然と佇む彼に、意味の無い問い掛けをする。
力無い眼が、俺を見上げた。
「これから、ずっと、慰み物ですもんね」
無意識の内に、顔が緩む。
彼にとっては不愉快極まりない表情だっただろう。
床に視線を落とし、彼は呟く。
「後悔なんか、しても、何の意味も無い」

やり過ぎたんだろうか。
いや、違う。
まだ、足りない。
彼を完全に手中に収めるには、まだまだ、手緩い。
「そうですね」
彼の腕を掴み、引き寄せる。
間近に迫る引きつった顔に、唇を滑らせた。
「今はまだ、後悔する時じゃないですよ」


あの時抱いていた想いは、何処へ行ってしまったんだろう。
ネット通販の購入履歴に並んで行く、いかがわしい商品の数々。
恋愛とはかけ離れた、ただの加虐願望だけが、身体を滾らせる。
こんな風にしか、関係を持つことが出来ないんだろうか。
もっと素直に、彼への想いを遂げることは出来なかったんだろうか。
彼と同じように、俺も、もう後戻りは出来ない。
堕ちる先に恐怖することに、何の意味も無い。


週明け、相変わらず冴えない顔をしながら、川端さんは俺の向かいの席に座る。
「調査の検討についてなんですけど、少し打ち合わせ出来ませんか?」
そう声を掛けた俺に、彼は戸惑いを隠しながら答える。
「ええ・・・良いですよ」

フロアの端に作られた打ち合わせスペース。
パーティションで仕切られただけの簡易な空間には、妙な緊張感が満ちていた。
資料を広げる彼の手に、そこに伸ばした俺の手が軽く触れる。
瞬間、手を引っ込める彼の眼に慄きが映った。
「そんな顔、しなくても」
俺の言葉に、彼は小さく息を吐き、気を改めるように椅子に座り直す。
「何もしませんよ、こんなところで」

打ち合わせは、ぎこちないながらも概ね順調に進んだ。
「これは・・・引地さんに、確認した方が良いかも知れません」
そう言う彼の提案で上司を探したものの
突然の有給休暇の為に、一週間出社しないと聞いた以外は。

□ 56_空疎★ □
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空疎★(4/7)

様子のおかしい客だと思われただろう。
視線を泳がせながら、彼は夜更けのコンビニで会計を済ませる。
紅潮した顔とギクシャクした動きは、深酒のせい。
遠目にその様子を見ていた俺は、そんな勝手な言い訳を、彼の代わりに考えていた。

若干季節外れのコートを羽織る彼は、不安定な足取りで俺の横を歩く。
サイズが大きいせいか、手の先まで袖の中に納まっている。
通りの人気が無くなるにつれ、彼の息遣いが、よりはっきりと耳に届くようになった。
「ここ、入りましょうか」
左手にある小さな公園に視線を向け、彼を促す。

頼りなく地面を照らす街灯の灯りに、長い影が伸びる。
砂を引き摺るような音が、夜の公園に響いた。
「・・・う」
光を遮るような藤棚の下で、彼は木製のテーブルに手を付き、うなだれる。
後ろから抱きしめるように、腰を抱く。
腕の中で震える彼は、切ない声を絞り出した。
「こん、な・・・ところ、で」
「こんなところで?」
腰に当てた手を、前の方へ回して行く。
脚の付け根辺りからコートの中に差し入れ、弄ると、彼の昂ぶりがあからさまに感じられた。
「こんなところで、こんなにしちゃって」
スラックスの上から股間を撫でる程に、その身体が傾いて行く。
「気に入って貰えたのかな」
ポケットの中で、更に彼の身体を追い詰める。
「は、あっ」
崩れ落ちそうな身体を両腕で必死に支える姿。
自尊心と言う名の綱を掴む手が、少しずつ解けて行くのが見えるようだった。


先の見えない闇に、彼の心はどう耐えているのだろう。
抗うことを諦め、ただ、流されているだけなのかも知れない。
金曜日の帰り際、俺の誘いに、彼は目を合わせないままで頷いた。
性奉仕を強要した男からのアプローチが何の意味を持つのか、想像できないはずが無い。
いつもと変わらない風景が流れる電車の中、覚悟を浸み込ませるよう、彼は何度もため息をついた。

自宅に着くとすぐ、スーツ姿の彼を狭い脱衣所に引き入れる。
腕時計を取り、ネクタイを解き、ワイシャツのボタンを上から外していく。
言葉も無く、なすがままにされる身体は、小刻みに震えることで不安を訴えていた。
上半身の衣服を脱がし切り、ベルトに手をかける。
「・・・自分で、脱ぐから」
目を伏せたまま、彼はそう言って俺の手を制した。
「違うんですよ、川端さん」
背中に手を回し、その身体を引き寄せる。
「俺が脱がせることに、意味があるんです」
間近に迫った耳元に唇を滑らせながら、片手でベルトを外す。
腰回りを抜けたベルトが、床に落ちて音を立てた。

裸にした彼をユニットバスの中へ誘う。
「そこに、手、ついて」
浴槽の縁に手を付き、尻を突き出すような恰好をしたその背中に
シャワーを浴びせ、ボディーソープを塗り込んだ。
滑らかな感触と共に、身体の熱と震えが手に沁みて来た。
背中から腰、尻へと手を下ろし、軽く開いた太腿の間に差し込む。
短い毛が泡立ちを良くするのか、撫でている内に、下半身が泡に塗れて行く。

萎れたモノを背後から掴み、ゆっくりと扱く。
切なげな溜め息が、風呂場に充満する。
「今日は、ちょっと違った趣向で、遊びませんか?」
俯く彼の顔に手を寄せ、こちらを向かせた。
怪訝な表情の眉間の皺が、より一層深くなる。
敏感な場所が、刺激を求める如く小さく傾いだ。


濡れた腰回りに、妙な臭いのする粘液を垂らす。
尻の割れ目に擦り込み、指で穴の周りを解すと卑猥な音が立った。
眼下で身体を捩る彼の吐息で、心も身体も昂揚していく。
「な、に」
苦しげに息を飲む様子に勢いを貰い、捉えた穴に指を突っ込む。
「う・・・っく」
指を圧迫する、柔らかく熱い壁。
直接的過ぎる感覚に、背筋が寒くなる。
指の小さな動きに、彼の呼吸が同じリズムで引きつるのが分かった。

ローションを纏い、鈍く光る細長い物体。
無機質な物で尾てい骨の辺りを撫でられ、彼の身体は脅えるようにぶれた。
「大丈夫ですよ。指より、ちょっと太い位ですから」
頭が左右に振れ、茶色い髪が照明を受けて赤い残像を引き摺る。
先端を肛門に当て、間を置かず物体を一気に押し込んだ。
声にならない声を上げると共に、背中から肩にかけて強張る。
痛みと違和感に耐える息遣いが、身体を大きく揺らしていた。
「じゃ、コンビニでも、行きましょうか」

ふらつく身体を壁で支えながら、彼は床に放り出された衣服を再び身に纏う。
シャツに手を伸ばすタイミングで、ポケットの中に入れていたリモコンのスイッチを入れる。
「っ・・・う」
呻き声を上げながら、彼の身体は床に崩れ落ちる。
その手が俺のスラックスを掴み、縋るような視線が下から迫ってきた。
「立ってられないほど、感じちゃいます?」
浅ましい問に対する最良の答を、今の彼には導くことは出来なかったんだろう。
顔を歪めたまま、唇を震わせるだけだった。
手を引き、立ち上がらせる。
彼の足の間に太腿を差し入れ、そのまま前後に弄ると、僅かに反応を見せるモノの感触が当たる。
「こんなんじゃ、外歩けませんね。ちょっと時期早いけど、俺のコート貸しますよ」

□ 56_空疎★ □
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空疎★(5/7)

ファスナーを下ろし、蠢くモノを直接手に取る。
「いつスイッチ入れられるか考えてたら、堪んなくなっちゃいました?」
硬くなったモノを揉みしだく様に扱きながら、彼に問いかけた。
「何、で、こんな・・・」
頭を抱えテーブルに身を預ける彼は、震える声を絞り出す。
精神的な恥辱と、肉体的な快感が入り乱れる中で発せられた言葉は、誰に向けてのものだったのだろう。
男のモノを咥え、肛門の中を玩具で弄られ、快感に陥る淫らな身体。
彼が恨むべき相手は、彼自身のはずだ。

沈み込んだ頭を胸元に引き寄せる。
半開きの唇から、切なげな息が吐き出されていた。
「引地さんの咥えた時も、ホントは、興奮したんじゃないんですか?」
閉じられていた眼が、その囁きで薄く開く。
弱弱しい視線が、否定し切れない苦しみを訴えているように見えた。
それが、俺の中の嫉妬心に、火を点ける。
「あんなクソオヤジのチンポ咥えて悦ぶなんて、どんだけ変態なんだよ」
手の中のモノを、力任せに握り締める。
「ぐ・・・っう」
痛みで顔を引きつらせる目の前の男。
誰にも好きにはさせない。
「思い知らせてやる。・・・あんたは、俺の、ものだって」


木組みのテーブルの下、太い脚に寄りかかるよう地面に座らせ、その傍にしゃがみ込む。
「やーらしい顔、しちゃって」
幼稚な感情が情緒を乱す。
コートのボタンを2つ3つ外すと、何も着けていない上半身が顔を出して来る。
激しい鼓動が響く胸板を撫でながら、もう片方の手で顎を掴み、親指を乾いた唇に滑らせた。
「ここで、しゃぶって貰おうかなぁ」
僅かな隙間を押し広げるように、指に力を込める。
纏わりつく唾液と、柔らかな舌の感触。
「・・・ん」
細めた目に映るのは、辛さや苦しさとは違う、何か。
深い息を吐き出しながら、彼の舌が親指に絡みつく。
爪の根元に生温かい物体が触れ、掌が痺れる。
「ほら、しゃぶらせて下さい、は?」
引き抜く指について来た舌が、小さな口から顔を出す。
唾液の筋が街灯の暗い光を纏いながら切れた。
「・・・しゃぶらせて、下さい」

真夜中の公園に、苦しげな息遣いが生まれては消えて行く。
コートの前を肌蹴させた彼は、俺のモノを口に含みながら、自分のモノに手にする。
目を細めて自らを慰める快感と、咥えされられる被虐の快感に振り回される表情が
彼から与えられる刺激と相まって、興奮を高めてくれる。
不意に、見上げる視線を受け止めた。
潤んだ瞳を含む全てが、日常とは違う姿。
会社のPCに向かう姿が重なっても、すぐには認識できないほど、意識が乱れる。
そして、彼も同じように、欲望に憑かれた非日常の俺を見ている。
もう、後には引けないと言う観念が、腰の動きを激しくさせた。

口の中で先端が捻じられ、引っ張られる。
思わず声が出た。
益々能動的になる彼の振る舞い。
秋になり、未だ蔦を伸ばし続ける藤の葉が、突風に煽られて音を立てる。
追い立てられる身体を止める必要は無い。
肌寒い風を感じながら、俺は彼の口の中で絶頂を迎えた。

うな垂れる視界の中にあるのは、肩を震わせながら自らを慰める彼の姿。
口から垂れた精液が胸の方まで流れ落ちているのを気にもせず、一心不乱に終着点を目指す。
やがて、彼のモノから噴き出た液体が砂地に落ち、糸が切れたように身体が沈んだ。


元々、人通りの多い道じゃない。
下半身を引きつらせたままの彼は、俺にしな垂れかかる様な体勢で足を前に出す。
背後から自転車が追い抜いて行く度に、その身体が小さく震える。
彼の心と身体にどんな変化が芽生えているのか、考えても仕方が無い。
ただ、今のこの現実が、自分の中のくだらないサディズムを増長して行ってくれているのは確かだった。

自宅の玄関に入ると共に、彼の身体が床に崩れる。
「も、う・・・止めて、くれない、か」
「どうしてですか?」
昼光色の照明が、その顔の紅潮を強調する。
土下座をするかのような姿勢のまま、彼は唇を震わせた。
軽くしゃがみ込み、顎を指で上向かせる。
「気持ち良いんでしょ?」
「そ、れは・・・」
「折角だから、もっと遊びましょうよ」

汚れたコートを羽織る彼は、狭い部屋の中に立ち尽くす。
「じゃ、服、脱いで下さい」
当惑した視線が、振り向きざまに向けられた。
「今度は、川端さんに脱いで貰うことに、意味があるんですよ」
再び俺から視線を背けた彼は、ゆっくりとコートのボタンを外し始める。
滑り落ちるコートから、失意を背負った小さな背中が現れた。

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空疎★(6/7)

頭上で組まれた2本の手首を拘束する手枷。
折り曲げた2本の脚に巻きつく赤いロープ。
身体の自由を奪われたままで床に座る彼の視界を、アイマスクで奪う。
震える唇から、もはや言葉は出なかった。
チューブに入ったローションを肩口に落とすと、ベッドにもたれる背中が軽く浮き上がる。
胸元から腹にかけて薄く塗り広げると、上半身を捻じり、その感触に耐える。
短い間隔で吐き出される息を顔に感じる度に、気分が昂ぶった。

彼の中で蠢いていた物体を引き抜く。
発した声には、僅かに安堵の表情が窺えた。
その光を打ち消すよう、痙攣が残る下半身に粘液を纏わせる。
「もう・・・」
か細い声とは相反し、さっきまで異物を受け入れていた穴は、指の動きに正直な反応を見せる。
「もう・・・我慢、出来ない?」
手に取った玩具で尻の割れ目を摩りながら、耳元で囁く。
球体が連なった下品な色をしたそれで玉を突くと、彼は小さく首を振った。
「こんな、の」
「女のマンコに突っ込んで腰振るだけが、男の快感じゃないと思いますけどね」
ローションに塗れた電動パールの先端を、解すように肛門へ押し当てる。
「公園では、あんなになっちゃってたじゃないですか」
瞬間、割れるような呻き声が彼の口から漏れた。
「1個、2個・・・結構簡単に入っちゃいますよ?川端さん」
物体が深く沈み込むにつれ、腹筋が小さく盛り上がるのが見える。
ゆっくりと出し入れを繰り返しながら、徐々に根元まで飲み込ませる。
半分しか窺えないながら、その表情には苦悶がはっきり浮かんでいた。

悲鳴のような男の乾いた声が、真夜中の部屋に響く。
「っあ・・・む、り・・・」
かつてない刺激を体内に受けている彼は、そう声を絞り出す。
無機質なモーター音と、抜き差しする度に立つ卑猥な音。
それに彼の激しい息遣いが混ざり合い、淫らな雰囲気を空間に広げていく。


照りを帯びた上半身に手を伸ばし、固くなっている突起を摘み上げる。
大きく揺れた喉仏が、吐息を押し出す。
「モロ感ですね。やらしいなぁ」
萎れたままだったモノが、乳首への責めに呼応するよう膨らむ気配を見せ始める。
「チンポ、ピクピクさせて。そんなに良いんですか?」
「いっ・・・」
捻り潰すような指の動きで上がる金切声。
「気持ち良い、でしょ?」
執拗な仕打ちに、声の鋭さは削られていく。
股間のモノが頭をもたげ始める頃、彼の心にはヒビが入り始めたのかも知れない。
かすれた声が、耳に届いた。
「きもち、い・・・」


アナルを刺激する電動パールと、乳首を虐めるクリップローターのリモコンコードが、床に散乱している。
快感を吸い込むように身体を震わせながら、更なる刺激を求める声が身体を刺激した。
彼の頭をベッドに引き摺り上げ、その上に跨るよう膝立ちになる。
スラックスの中で怒張したモノを取出し、その口に近づけて言った。
「何て言えば良いか、分かりますよね」
唾を飲み込み、一度深い息を吐き出した彼は、まるで自ら望んでいるかのように呟く。
「しゃぶらせて・・・くだ、さい」

口の中に捻じ込み、腰を振る。
苦しげな喘ぎが、ベッドの軋む音さえ掻き消していくように脳に沁みていく。
肩を押さえ更に奥へ差し込むと、舌のザラザラとした感触が先端に纏わりついた。
「もっと、喉・・・締めて」
うわ言のように口から出た要求に、彼は忠実に応えてくれる。
快感で霞む視界に、仰け反る彼の身体が揺れる。

彼への加虐行為が、どれだけ自分の身体を溶かしているのかを実感する。
背徳感と優越感が混ざった感情が、快楽を押し上げる。
彼の声と俺の声が部屋の中に充満し、それが飽和する頃、俺は再び絶頂を迎えた。
口の外に漏れた精液が、揺れる喉元を流れ落ちていく。
眼下の股間にそそり立つモノは、被虐を待ち侘びるが如く先端から涎を垂らしていた。


彼の口からモノを抜き取り、ベッドを降りる。
傍に座り、彼の下半身に手を伸ばした。
「寂しそうですね。ここ」
モノの先端を指で撫でると、仰け反っていた身体が僅かに縮こまる。
指に絡みついた我慢汁を、彼の唇に塗りつける。
声にならない声が、空気を揺らした。
「何ですか?」
「そ・・・こ」
「弄って欲しい?」
「い、じ・・・って」

視界を遮っていたアイマスクを外すと、薄く開いた潤んだ眼が現れる。
頬に唇を寄せ、涙を溜めた目尻に舌を滑らせた。
「良く見て下さい。恥ずかしい格好」
彼の視線が、静かに自らの身体を降りていく。
「こんなことされて、トロトロになるなんて」
待ち侘びる場所に手を伸ばし、握り締める。
更に細くなる眼が、その表情に諦めと服従を映すようだった。
「すげー、変態」

様々な快感に蝕まれている彼の身体は、暴発寸前だった。
抑えることを忘れたように、頭を振りながら艶めかしい声を上げる。
「あっ・・・イ、く、イく・・・」
トーンの高い声が、更に高くなる。
片腕で彼の頭を抱え込み、扱く手に力を込めた。
「んん・・・っ」
自由を奪われた身体が伸び、彼のモノから精液が流れて行く。
力の抜けた上半身が俺の身体にもたれかかる。
胸元にうずもれる彼の髪にそっと口づけた。
震える身体を抱きながら、つまらない征服感に酔いしれる。
これで、彼は俺のものだ、そう思っていた。

□ 56_空疎★ □
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空疎★(7/7)

週明けの会社は、騒然としていた。
廊下の掲示板の前には、数人の人だかりが出来ている。
複雑な表情で立ち尽くす同期に声を掛けた。
「どうした?」
「ああ、引地さん・・・」
そこまで言って、彼は俺の耳元で囁く。
「左遷らしい」
「何で?」
「さあ?」
貼り出されていたのは、一枚の辞令。
引地さんに対する、子会社出向の命令が書かれていた。
しかも、日付は今日付け。
「突然過ぎないか?抱えてる案件は・・・」
「それで、今日は朝から会議だとさ」
「最悪・・・」

ふと背後に気配を感じる。
振り返ると、俺の後ろに川端さんが立っていた。
「あ、おはようございます」
「・・・おはようございます」
いつものような挨拶を口にしながら、彼の目が一枚の紙に向かう。
瞬間、その口元に歪んだ笑みが広がった。
あまりに不気味な表情に、背筋が寒くなる。
視線に気が付いたのか、彼は表情を戻し、俺を一瞥して自席へ向かっていった。


上司の突然の左遷理由が明らかにされた会議室の雰囲気は、何とも微妙な物だった。
一週間前、彼は通勤中に痴漢の容疑で警察に突き出された。
以前から、社内でもセクハラでいろいろと問題になっていた人間。
あいつならやりかねないと思われていたところもあり
会社の方も被害者との示談を済ませ、彼に対しても減給程度の処分をと考えていたらしい。

ところが、被害者の女子高生が撮った写メがネットに流れていることが、客からの電話で明らかになった。
顔だけではなく、社章入り。
会社名や実名までついて流れた情報を回収することはほぼ不可能と判断され
結局、上司を左遷させることで、客に対する信用を取り戻そうということになったそうだ。

本人がどう考えているのかを知る術は無いが、残された部署の人間にとっては堪ったもんじゃない。
彼が取りまとめていた案件は、10件近く。
それぞれを担当していた部下が引き継ぎ、何とか進めて行けとの部長命令が下される。
試用期間であるはずの川端さんも、その影響を被ることは免れない。
例の耐震診断は、彼一人で受け持つこととなった。

どうしようもない人間だったとは言え、経験値の高さは否定出来ない。
責任者を失った中での仕事は、思った以上に困難だった。
郊外の物件が多く、調査を済ませてから会社に戻り書類を整理する毎日。
向かいの席に座る彼も同じ状況なのか、顔を合わせることは殆ど無かった。


週末の夜。
終電が終わろうと言う時間になっても、報告書がまとまり切らない。
電車で帰ることは諦めよう、そう思いながら背伸びをした時、廊下の方に人影が見えた。

「まだ終わらないの?」
薄暗い中で表情はよく見えなかった。
「ええ・・・川端さんは、今、戻りですか?」
「まぁ、そんなとこ」
ただ、妙に明るい口調に居心地の悪さを覚える。

近づいて来た彼の顔には、明らかに殴られたと思われる傷。
「どう、したんですか・・・その」
「ああ、これね」
薄ら笑いが痛々しさを強調する。
その手が、俺の腕を掴んだ。
「ちょっと、良いかな」


白い壁紙が、疲れた目には眩しく見えるトイレの中。
彼は洗面カウンターの前で振り向き、突然俺の唇を奪う。
首に回された腕が絡みつき、身体が密着する。
唇に舌が這い、開いた隙間から生温かい舌が割り込んで来る。
絡ませる程に広がる、錆び付いた味覚。
口の中まで傷ついていることは、容易に想像がついた。

唇が離れ、その吐息が鼻頭を掠って行く。
「今日の男、僕を殴るのが好きだったみたいで」
「・・・え?」
「でも、クスリのせいかなぁ。あんまり痛くなくってさ」
「川端さん・・・?」
「君が悪いんだよ?僕に、あんな快感擦り込んで」
向けられる目に、挑発的な光が宿る。
「男とのセックスも、悪くないね」
そう言いながら、彼は俺の腰回りを撫で始めた。
「香月君もどう?・・・何なら、ここででも良いよ」

まるで別人のような態度に、心が冷めて行くのを感じる。
俺は、彼が好きだったはずで、彼の全てが欲しいと思っていた。
セックスだって、もちろん、望んでいた。
股間を弄りながら、上目遣いで俺の表情を窺っている彼。
俺が恋心を抱いた男とは、何かが違う。
けれど、変えてしまったのは、俺自身。

「あの男はね、君みたいに、回りくどいことはしない。意図が明確だよ」
スラックスのファスナーを下ろしながら、彼は呟く。
「ただ、快楽の為に男の身体を使う。それだけ」
「俺は・・・」
「気持ち良くなろーよ。くだらないこと、忘れて」
外に出されたモノに彼の舌が触れ、腰が引けた。
ちぐはぐな快感に身体が痺れ、視界が滲む。
こんなはずじゃ、なかったのに。

□ 56_空疎★ □
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まべちがわ

Author:まべちがわ
妄想力を高める為、日々精進。
閲覧して頂いた全ての皆様に、感謝を。

2011-3-12
東日本大震災の被害に遭われた方に
心よりお見舞いを申し上げます。
故郷の復興の為に、僅かばかりにでも
尽力出来ればと思っております。

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